11月は全国的に季節外れの暖かさとなりました。また、東日本や北日本の太平洋側では降水量が極端に少ない傾向となっています。12月も関東から九州にかけては降水量が少なくなりそうで、乾燥対策や感染症対策は例年以上に必要となりそうです。



●ほとんどの地域で晴れる日多く 気温も高め


2020年の11月は、本州付近は高気圧に覆われて、晴れる日が多くなりました。

また、南から季節外れの暖かい空気が流れ込んできた日もあり、11月の平均気温は平年よりも高く経過しています。

11月19日には、京都市で26.9度、大阪市で26.6度、山口市で26.0度、長岡市で25.9度、千葉市で25.1度を観測し、統計開始以来、最も遅い夏日となる所があったなど、季節外れの暖かさによる記録が続々と更新されました。

また、通常この時期はすでに寒い朝を迎えている青森市と秋田市では、今シーズンは未だに最低気温が0℃未満になる冬日を迎えていません。11月に冬日が無いと、青森市で16年ぶり、秋田市では5年ぶりになります。


●関東や東北太平洋側で極端に少ない降水


11月は、関東地方や東北地方の太平洋側では、極端に降水量が少なくなりました。

11月になると冬型の気圧配置の日が多くなるため、日本海側では降水量が多くなるのに対し、太平洋側では降水量が少なくなるのが通常ではあるものの、特に今年は太平洋側の地域に降水をもたらす南岸低気圧がほとんど出現していないことが原因と考えられそうです。

昨日29日までの東京都心の11月の降水量は14.5ミリで、今日30日にこのまま降水が無いと11月の月降水量が20ミリを下回るのは1998年以来22年ぶりとなります。さらに、宮城県白石市の11月の月降水量は29日まででなんと0.5ミリで、11月最少を26年ぶりに更新しそうです。

その他の地域でも、11月の月降水量が仙台市7.0ミリ、前橋市3.5ミリ、熊谷市4.5ミリ、横浜市9.0ミリ、甲府市4.5ミリなど極端に少なくなる見込みです。


●インフルエンザ報告数 まだ極端に少ない


一方、厚生労働省が11月27日に発表した「インフルエンザの発生状況」によりますと、47週(11月16日~22日)のインフルエンザの指定医療機関の報告数は「46」となっていました。前年同時期の総数「15,390」に比べて1%未満と、まだ極端に少なくなっています。

その前の週までの感染者数も、20~30人台と前年同月期に比べてかなり少なく、感染症対策などの効果なのか今年は極端に少ない状況が続いていることがわかります。


●12月の天気傾向 体調管理は昨年よりも気を使って


先週発表された1か月予報によりますと、クリスマス頃にかけての1か月の平均気温は、全国的に「平年並み」の予想です。

ただ、「平年並み」と言っても、昨年(2019年)12月は、本州付近への寒気の南下が弱かったため、月平均気温は、東・西日本では「かなり高く」、沖縄・奄美で「高く」なりました。そのため同じ12月ですが、今年は「平年並み」でも昨年よりも寒く感じられそうです。

また、降水量に関しても12月末にかけても関東から九州にかけては降水量が少なくなる可能性が大きいとみられており、例年以上の乾燥対策が必要となるかもしれません。

今年は、新型コロナウイルスの感染拡大も心配されますので、体調管理には一段と注意するようにしましょう。


情報提供元: tenki.jp日直予報士