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本州の南を進む台風14号は、あす11日明け方から朝にかけて伊豆諸島南部に最も近づくでしょう。伊豆諸島では警戒を続けて下さい。台風14号はその後、進路を南よりに変える見込みです。
●台風14号 北上せず
台風には、地球の自転により北へ押す力がはたらくため、一般的に台風は北上します。ところが、今回の台風14号は、日本の南に夏に見られる太平洋高気圧が張り出していたことなどにより、日本付近への北上が遅くなりました。8日から9日にかけて、四国の南まで北上して以降も、千島近海に中心を持つ高気圧が張り出しを強めているため、ほとんど北上することなく、ほぼ東進しています。台風を流す偏西風は、日本の北を流れており、偏西風に乗ることもなく、秋の台風としては、動きが遅くなっています。
また、台風14号は、風速25メートル以上の暴風域を伴っています。
●台風14号 あす11日明け方~朝に伊豆諸島南部へ
今後、千島近海に中心を持つ高気圧の張り出しは強いままでしょう。このため、台風14号は東よりに進み、暴風域をともなったまま、伊豆諸島南部に11日明け方から朝にかけて最も近づくでしょう。
三宅島の坪田では、16時59分までの1時間に86.0ミリの猛烈な雨を観測しました。伊豆諸島南部(三宅村、御蔵島村)には、大雨特別警報が発表されています。これまでに経験したことのないような大雨になっており、何らかの災害がすでに発生している可能性が高い状況です。命を守るために最善を尽くさなければならない状況ですので、最大級の警戒を続けて下さい。
●台風14号 次第に進路を南へ 関東付近に冷たい湿った空気を引き込む
10日夕方、神奈川や千葉の一部が、台風14号の風速15メートル以上の強風域に入り、昼頃から夕方にかけて、最大瞬間風速は、千葉県勝浦市で16.7メートル、銚子市で16.6メートル、神奈川県三浦市で15.8メートルの北よりの風を観測しました。
太平洋高気圧は、次第に張り出しを弱めるでしょう。このため、台風14号は、伊豆諸島南部に近づいたあと、進路を南よりに変え、次第に関東から離れて進む見込みです。11日は台風に向かって風が吹き込みます。関東付近には、東の海上から冷たく湿った風が流れ込むでしょう。北海道では、日本海側やオホーツク海側を中心に晴れ間がありますが、東北から関東は雲が広がり、東北の太平洋側や関東を中心に雨が降る見込みです。北海道から関東の最高気温は、きょう10日と同じくらいか高い所が多い予想です。ただ、関東では、広く北風がやや強く吹き、風が冷たく感じられそうです。
●一方で九州付近には乾いた空気
一方で、九州付近には大陸から乾いた空気が流れ込みます。九州から東海では、太平洋側の地域を中心に晴れ間が出る見込みです。最高気温は、10日に雨で気温があまり上がらなかった近畿や東海などでも、25℃くらいまで上がる所が多い予想です。