気象庁によると、口永良部島では2020年1月から2月にかけて、大きな噴石や火砕流を伴う噴火が時々発生しました。2014年から2015年に匹敵する火山活動に発展する可能性も考えられます。



●火山活動の状況 2014年~2015年に匹敵する火山活動に発展か


気象庁によると、口永良部島では2020年1月から2月にかけて、大きな噴石や火砕流を伴う噴火が時々発生しました。火山性地震、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量はいずれも多い状態で、2月頃から新岳火口の熱活動も高まってきています。これらのことは、今後噴火活動がさらに活発化する可能性を示唆します。


GNSS連続観測では、島内の基線において、2019年10月頃からわずかな伸びがみられ、1月頃から明瞭な伸びとなっています。このことから、地下ではマグマが蓄積されつつあると推定されます。その蓄積量は2018年から2019年の活動期を上まわり、2015年噴火発生前の状態に匹敵しつつあります。また、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が多い状態も地下でのマグマ活動の活発化を示します。

2019年10月以降の火山活動は、2018年から2019年の火山活動と同程度以上で推移しており、2014年から2015年に匹敵する火山活動に発展する可能性も考えられます。

口永良部島では、規模の大きな噴火に先行して、山麓での大きな地震の発生、新岳火口直下における火山性地震の増加、火山ガス(二酸化硫黄)放出量の減少などの現象がみられることもあるため、火山活動の推移には注意が必要です。今後の噴火活動に警戒する必要があります。


●噴火警戒レベルは「3(入山規制)」が継続


噴火警戒レベルは「3(入山規制)」が継続です。新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が増加していることから、流下する火山ガスにも注意してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。


情報提供元: tenki.jp日直予報士