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気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表しました。秋にかけて続く可能性があると予想されていたエルニーニョ現象ですが、すでに終息したとみられます。一方、インド洋熱帯域は海面水温の高い状態が続いています。
●6月の実況 エルニーニョ現象が終息したとみられる
6月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.3℃で、基準値に近い値でした。エルニーニョ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の4月の値は+0.6℃となり8か月連続して+0.5℃以上でした。太平洋赤道域の海面水温は、日付変更線付近を中心に平年より高く、東部で平年並でした。海洋表層の水温は中部で平年より高く、東部で平年より低くなりました。太平洋赤道域の対流活動は西部で平年より活発で、中部の大気下層の東風(貿易風)は平年より強くなりました。これらの海洋と大気の状態は、エルニーニョ現象が終息したことを示しています。
●今後の見通し 平常の状態が続く可能性高い
5月に太平洋赤道域の中部に見られた海洋表層の暖水は6月下旬に解消したことから、東部の海面水温は今後しばらく平年並で推移すると考えられています。エルニーニョ予測モデルは、今後秋にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値に近い値で推移すると予測されています。以上のことから、今後秋にかけてエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続く可能性が高いとみられます。
●西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況
西太平洋熱帯域:6月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値でした。今後秋にかけて基準値に近い値で推移すると予測されます。
インド洋熱帯域:6月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値でした。今後秋にかけて基準値に近づき、高い状態は解消していくと予測されます。
●6月の日本と世界の天候への影響
日本: 6月の日本の天候にはインド洋熱帯域高温時の影響は明瞭には見られませんでした。
世界: フィリピン、インドシナ半島、インドネシア及びインド南部の高温はインド洋熱帯域高温時の特徴に一致していました。
※ちなみに、インド洋熱帯域が高温時の日本の夏(6~8月)の天候の特徴は、多雨傾向です。平均気温は沖縄・奄美で高い傾向。降水量は北日本の日本海側、東日本の太平洋側で多い傾向。北日本の太平洋側、西日本の日本海側で並みか多い傾向。日照時間は北日本で少ない傾向です。