気象庁は11日、エルニーニョ監視速報を発表。エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっていますが、秋の間にエルニーニョ現象が発生する可能性が高い見込みです。



●9月の実況


9月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.2℃で基準値に近い値でした。太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、中部から東部でおおむね平年並みでした。海洋表層の水温は西部から中部で平年より高く、東部でおおむね平年並みでした。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年並みで、中部の大気下層の東風(貿易風)も平年並みでした。このような海洋と大気の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっていることを示しています。ただし、西部から中部の大気下層の東風は、9月半ば以降、平年より弱くなりつつあります。


●今後の見通し


今後、太平洋赤道域の大気下層の東風は平年より弱くなり、海洋表層の暖水が東進し、東部の海面水温を上昇させると考えられます。エルニーニョ予測モデルは、今後春にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値より高い値で推移すると予測しています。以上のことから、秋の間にエルニーニョ現象が発生する可能性が高いと予測されます。


●西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況


西太平洋熱帯域: 9月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値でした。今後、秋から春にかけて基準値より低い値で推移すると予測されます。

インド洋熱帯域: 9月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値でした。今後、秋は基準値より低い値か基準値に近い値で推移し、冬から春にかけては基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。


情報提供元: tenki.jp日直予報士