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気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表。秋は平常の状態が続く可能性もありますが、エルニーニョ現象が発生する可能性がより高い見込みです。
●8月の実況
8月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.1℃で基準値に近い値でした。太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、中部から東部でおおむね平年並みでした。海洋表層の水温は西部から中部で平年より高く、東部で平年より低くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年並みで、中部の大気下層の東風(貿易風)も平年並みでした。このような海洋と大気の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっていることを示しています。
●今後の見通し
秋のはじめは太平洋赤道域の中部から東部の東風が平年並みか平年よりやや強く、海洋表層の暖水の東進が妨げられると考えられますが、その後は暖水が東進し、東部の海面水温を上昇させると考えられます。エルニーニョ予測モデルは、秋から冬にかけて基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測しています。以上のことから、秋は平常の状態が続く可能性もあります(40%)が、エルニーニョ現象が発生する可能性がより高い(60%)見込みです。
●西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況
西太平洋熱帯域: 8月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値でした。今後秋から冬にかけて基準値より低い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。
インド洋熱帯域: 8月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値でした。今後秋は基準値より低い値か基準値に近い値で推移し、冬は基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。