8月の太平洋側の平均気温は平年より大幅に低く、日照も少なく雨の日が多いことから、宮城県では「いもち病」の発生が懸念されています。農作物の管理に注意が必要です。


●東北地方太平洋側 8月の低温


仙台の先月7月の月平均気温は、気象庁統計開始以来、第2位の暑さになりました。厳しい暑さになった7月から一転、8月は梅雨明け後も日中の気温の上がり方は鈍く、最高気温は平年より低い日が多くなっています。また、日照も記録的に少なくなっています。この要因に、夏空をもたらす「太平洋高気圧」の勢力が弱いこと、また、東北から関東にかけての太平洋側に冷たく湿った空気と曇天をもたらす「オホーツク海高気圧」が居座っていることが挙げられます。

平年のこの時期は、太平洋側も夏真っ盛りですが、今年のように曇りや雨の日が続き、肌寒い日が多いと農作物が心配です。冷害で米が不作になった1993年、2003年の平均気温と今年を比べたグラフを見ると、仙台の今年の夏の平均気温の下がり方は、冷害の年ほどは大きくないと言えそうです。ただ、今年の8月は、雨の日が多いため日照が少なく低温が続き、稲にとって大敵である「いもち病」が発生しやすい状況が続いています。宮城県から16日に「いもち病」への警戒を呼びかける情報も出ています。引き続き農作物の管理にご注意ください。


●来週の天気傾向


太平洋側の気温の低い状態は、来週後半には少し解消する見込みです。オホーツク海高気圧が徐々に南下し、風向きが冷たい東風から南風に変わってくることが要因の一つです。ただ、この先も東北ではすっきり晴れる日は少ない予想ですので、引き続き農作物の管理には注意が必要になりそうです。

※なお、1993年はスーパーに国産米の代わりに外国産米が出回りました。テレビでは日本人が普段食べなれないインディカ米をおいしく調理する料理番組が放送されていました。

情報提供元: tenki.jp日直予報士