【写真】ソフトバンク対DeNA 4回裏ソフトバンク2死一、二塁、山本祐大は同点に追いつく2点適時三塁打を放つ(撮影・岩下翔太)

<日本シリーズ:ソフトバンク4-2DeNA>◇第4戦◇28日◇みずほペイペイドーム

ソフトバンクの強さが際立った。総括的にいうと、いかに洗練されているか、そうでないか。この試合でもその差が随所で見えた。DeNAは2点リードの4回、逆転を許したが、その伏線は4回表の攻撃からあったと感じている。初回、佐野の2ランで先制し、主導権を握った。ソフトバンク先発の前田は2回以降ギアチェンジ。立ち直りかけていた矢先、4回2死から6番松尾がセンターへ二塁打を放った。

しかし、続く7番三森は初球の外角低めのスライダーに手を出し中飛に倒れた。これは結果論ではなく、本人がどれだけ重要な打席を自覚していたか。しっかり狙い球を絞って集中していたか。積極的にいくのが悪いわけではないが、難しいボールを打たされた印象だった。この3試合の接戦の展開を考えれば、追加点を奪えるかどうか、すごくポイントになる場面だった。

その裏、平良が先頭の正木に四球を出した。一番やってはいけない投球だった。そして1死一、二塁から、山本祐に右翼線へ同点三塁打された。井上朋がダイビングキャッチにいって後ろにそらした。試合展開を考えれば飛び込んで捕球にいかない方が最善だった。

こうした試合の中での状況判断は、やはり経験値の差が出てくる。ソフトバンクは、こうすれば試合の潮目が変わるだとか、相手が嫌がるだとか、駆け引きだとか、ベンチと選手の思考力、洞察力がすぐれている。

1点リードの6回、周東が二塁打で出塁すると、不調の近藤が二ゴロ進塁打で最低限の仕事をして、山本祐の犠牲フライで貴重な追加点を奪った。4回には無死一塁から周東がバント失敗したものの、盗塁で自らのミスをカバーしている。

それにしてもソフトバンク山本祐が3打点で殊勲の活躍を見せた。4回の同点打は、目の前の栗原が敬遠された直後だった。トレードで移籍し古巣には絶対に負けたくない、期するものがあったと思う。彼のプレーや態度を見ていると、執念さえ感じた。

ソフトバンクの強さは続くだろうが、他球団もこのままではいけないと思う。DeNAは4連敗したが、紙一重の差。チーム力からすれば、リーグ戦で優勝争いしてもおかしくなかった。今季の分析、検証、反省をして、長い間、優勝を待っているファンの期待に応えてほしい。(日刊スポーツ評論家)

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【谷繁元信】際立った日本一ソフトバンクの強さ「状況判断」洗練されているか否かの差随所に 」