【写真】石井大智(2026年9月撮影)

<猛虎リポート>

阪神に「独立リーガー」がまた増える。ドラフト会議で四国ILの選手を3人、すべて徳島の投手を指名した。支配下で7位石井康輝(23=近大)、育成で1位山下健信(22)と2位荒木誠也(24)。異例の指名だった。

阪神では独立リーグ出身の投手が多く活躍している。高知からNPB入りした石井大智(29)は20年ドラフト8位からはい上がり、昨年、50試合連続無失点の日本記録を樹立。WBC日本代表(故障で辞退)に上り詰めた。18年ドラフト6位で富山から入団した湯浅京己(27)は23年WBC代表になった。23年ドラフト2位の椎葉剛(24)と24年育成1位の工藤泰成(24)は徳島で成長してNPB入りした。

工藤は東京国際大で指名漏れを経験。1年後に指名を勝ち取った。1年目の開幕前に支配下登録、2年目途中でクローザーとして優勝に貢献という大ブレーク。理想的なシンデレラストーリーを描いた。もちろん工藤の努力に尽きるが、この流れは多くのアマ選手に希望を与えているはずだ。

全国各地の独立リーグは今の形になるまで紆余(うよ)曲折を経てきた。各球団、リーグの努力が実り、それぞれのアイデンティティを固め始めている。

工藤は古巣について「プロに行くための球団、リーグでもある」と言う。リーグの発展を強く願う石井は「徳島や、自分の出身の高知はレベルの高い選手が1年でNPBに行きたいと思って、来てくれる。四国ILのレベルも上がるし、お客さんも楽しい試合が見られる。すごくいい循環」と喜んでいる。

もちろん活躍できるかどうかは自分次第。逆に言えばNPBでの活躍をもって初めて、独立リーグの価値は高まる。石井はチームメートになるであろう3人にアドバイスを送った。

「僕はキャンプの時点で『違うな』と思った。レベルの違いに驚いて、刺激を受けてしまい、独立リーグ時代からやってきた部分を変えてしまった。彼らは独立でやってきたものを評価されて指名をもらっていると思う。支配下(昇格の)期限は7月31日なので、夏くらいまでは今の実力、技術を、ある程度は変えないようにして勝負してもらって。そこから、いろいろなことを考えればいい。これは自分の反省でもある」

今回入団の3人は全員が大卒。キャリアや年齢で「即戦力」のように見られる。下位指名だけに入団直後から飛ばしたい気持ちもあるだろう。石井の言葉は示唆に富んでいる。「球速を上げるのはめちゃくちゃ難しいけど、下がるのは一瞬。そういう経験をしている。今持っているものをオフに継続して、来年春に、いい体の状態で来てほしいですね」。どこまでも選手に寄り添ったメッセージに聞こえた。【柏原誠】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】また独立Lから3投手が加入 厳しさ知る石井大智が金言「僕は驚いて変えてしまった」 」