【記者の目】巨人松井新監督には「超」スーパースターを育ててほしい それが長嶋さんの願い
巨人の新監督に球団のレジェンドOBの松井秀喜氏(52)が就任した。現役時代の02年以来、24年ぶりに巨人のユニホームを着て指揮を執る。23日、午後3時から都内で開かれた会見の冒頭、約8分間に及ぶ「所信表明」を行った。
◇ ◇ ◇
27年前。春の宮崎キャンプ中に、松井秀喜は死に神に襲われる夢をみた。インフルエンザで高熱にうなされ、3日目に「ようやく死に神を倒して」練習に復帰した。翌日、日刊スポーツをはじめスポーツ各紙は「松井 死に神に勝つ」と1面で報じた。
夢の中身がトップニュースになった。今なら考えられない。たわいのない話でもみんなが飛びつくのは、大谷翔平とデコピンくらいか。長嶋茂雄監督とともに、ほんのささいな事でもニュースになる存在だった。
当時の巨人にはスーパースターがいっぱいいた。原辰徳、落合博満、清原和博、高橋由伸。それでも長嶋さんと松井は別格だった。松井がホームランを打てば1面。スポーツ紙の1面にこれほど据わりのいい選手はいなかった。それは、日本中に名前が知られているだけではなく、世代を超えて愛される存在だったからだ。
長嶋さんが松井を「1000日計画」で球界の4番に育てたように、新しいスターの育成を課せられている。しかし、松井監督には「超」のつくスーパースターを育ててほしい。超スーパースターの周りには人材が集まる。長嶋さんのV9しかり、大谷翔平のドジャースしかり、松井のいた巨人しかり。まばゆい光に多くの才能が引き寄せられ、ともに脚光を浴びていく。
勝ち負けはつきものだが、松井監督には目先の勝負ばかりにこだわってほしくない。誰もが知り、誰にも愛される、スケールの大きいスーパースターをつくってほしい。それが恩師の長嶋さんの願いでもあると思う。【元巨人担当・沢田啓太郎】