【写真】山梨学院対慶応 タイブレークの10回表山梨学院1死満塁、代打藤田壮弥を三併殺打に仕留め笑顔を見せる湯本琢心(中央)(撮影・足立雅史)

<高校野球秋季関東大会:慶応2-1山梨学院>◇19日◇準々決勝◇上毛新聞敷島

23年夏の全国制覇以来となる旋風の予感だ。慶応(神奈川1位)が山梨学院(山梨1位)を延長10回タイブレークの末、サヨナラで破り、来春センバツの出場当確を決めた。1-1で迎えた10回1死一、二塁で矢口翔大(かける)外野手(2年)が右越えにサヨナラ打を放った。投げては二刀流でのプロ志望を明言している湯本琢心投手(2年)が5安打1失点で完投した。健大高崎(群馬1位)は霞ケ浦(茨城2位)に勝利し、2年ぶりのセンバツに当確ランプをともした。

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「新しい湯本が見られた」。森林貴彦監督(53)の言葉が、この試合を表現していた。湯本は中盤から尻上がりに調子を上げ、6回以降は3者凡退を続けた。継投で勝ち上がってきたチームで、延長10回には146キロも記録。1死満塁を三ゴロ併殺でしのぎ、サヨナラ勝利につなげた。森林監督の言葉を聞き「まぁ、新しいです。このピッチングはやったことがない。森林さんの信頼が上がったかな」と笑った。

新たな挑戦だった。バッテリーを組む延末遵太捕手(2年)は「いつもは長打を避けてアウトコース中心の配球。でも今日の湯本はインコースへ思いっきり勝負したい、と言ってきた」と振り返る。得意の外角スライダーと左打者へのフォークを見切られると、中盤以降は投げていなかったカーブに内の真っすぐで打ち取った。「ゾーンに入った」と森林監督は言った。

二刀流だからこそ、分かる感覚もあった。3番指名打者で出場し、3三振1四球。山梨学院・渡部に抑えられた。「ビタビタの球しか来なくてやられました」。打席に立つからこそ分かる相手投手の良さ。「自分も負けねーよっていう気持ちで投げました」。闘争心に火がつき、攻めの投球に変わった。

すでに高卒プロ入りを口にする。「早く行きたいと考えた時に、一番早いのが高卒。それがダメでも大学の選択肢もある」。慶応入学も「強豪で技術も上がる。考える力も身につくし、OBにプロ野球選手がたくさんいる」と、将来を描いたから。小さい頃から大谷翔平のファンで二刀流を貫く。「まずは関東制覇が今の目標です」。あと二つ。今、目指す頂点が見えてきた。【保坂淑子】

◆湯本琢心(ゆもと・たくみ)2009年(平21)9月1日生まれ、埼玉県越谷市出身。小1から蒲生ユニオンズで野球を始め、越ケ谷南中では春日部ボーイズ。3年春の全国大会で優勝。慶応では1年夏に背番号9でベンチ入り。50メートル走6秒6、遠投100メートル。憧れはドジャース大谷翔平。179センチ、83キロ。右投げ左打ち。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【高校野球】慶応、サヨナラでセンバツ当確 湯本琢心が完投 森林監督「新しい湯本が見られた」 」