【写真】阪神佐藤輝明(左)と森下翔太(2026年10月撮影)

阪神のシーズン終了から一夜明け、記者はみやざきフェニックス・リーグ取材で宮崎へ。そこでチーム関係者に言われた言葉が妙に腑(ふ)に落ちた。

「フェニックスですら、ずっと試合に出ていたら落ちてくるんですから」

何の話かと言うと、1軍の主力のタフネスさ。「ですよね…」と返すしかなかった。CSファイナルステージで佐藤輝明内野手(27)と森下翔太外野手(26)の両大砲が立て続けに負傷した。4連敗の要因となったのは間違いない。

佐藤は初戦の打撃で背筋を痛めた。森下は第2戦の一塁駆け抜け時に右太もも裏に異変を訴えた。詳しい症状は公開されていないが、再発に近く、蓄積疲労が関係しているという説はたぶん正しいだろう。2人は3月のWBCから稼働してきた。チームメートより1カ月近く早い。

そこから全143試合に出場。7カ月間、ほぼ毎日、何万人もの観客の前でプレーを続けた。試合は次々やってくる。たとえ小さな故障でも、しっかり治すにはある程度まとまった休みが必要。優勝争いも個人タイトルもかかっていた彼らにそのチョイスはなかった。だましだましの毎日で、チームを優勝に導いたことは称賛されるべきだ。

もちろんそこには首脳陣の配慮もあった。調整に関して、主力選手はある程度の選択権を与えられていた。甲子園では室内にこもって打つことも多かった。そもそも、風や景色で錯覚しないよう、閉鎖的な室内での打撃練習を好む選手は多い。また、シートノックに参加しないこともあった。猛暑の8月、佐藤の訴えが採用され、シートノック自体の実施回数が減った。いかに体調管理が難しいかを表す出来事だった。

首脳陣にも葛藤はあったはず。ケガだけは防ぎたい。ベストに近いコンディションで試合に臨ませたい。ただ、チームで動いている以上、全員で足並みをそろえたいシチュエーションもある。使う側と使われる側が、互いのジレンマに悩んだシーズンでもあったのではないか。

故障や疲労の原因は1つではない。どんな措置を講じても起こり得ることだが、乗り切るには互いの理解は不可欠だ。選手の主張、監督の思い、スタッフの意見。これらのバランスが取れたチームは強いと思う。【柏原誠】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【記者の目】阪神の休ませる側と休む側のジレンマ 難しい主力の体調管理…バランスは取れたか 」