【高校サッカー】日大藤沢、主将・中村龍剛2アシストで8強進出!父憲剛氏見守る前で持ち味発揮
<全国高校サッカー選手権神奈川県大会2次予選:日大藤沢4-1(延長)法政二>◇18日◇3回戦◇日大藤沢高グラウンド◇40分ハーフ、延長10分ハーフ
昨年の覇者で全国8強入りした日大藤沢が、初戦となる3回戦で法政二を延長戦の末に4-1と退け、8強に勝ち上がった。元日本代表の中村憲剛氏(川崎Fデベロップメントコーチ)を父に持つMF中村龍剛主将(3年)は、父が見守る中で2アシストし、勝利に大きく貢献した。
川崎F一筋だった父と同じ14番を背負い、今季もボランチとして攻守のかじ取り役を務める。この1年で体重を5キロ増やした。登録上のサイズは身長171センチ・体重64キロだが、太もも周りなど下半身は大きくなった。そして周囲を鼓舞する声は健在だ。前年の全国選手権でも「瓜二つ」と評判だったが、さらに父の姿が重なるようになった。
そのプレーも正確性に走力が加わった。積極的にルーズボールを拾い、ディフェンス面でも体を張る。先制点につながるFKも自らがルーズボールをいち早く拾い、前へ持ち出したところを引っかけられて奪ったものだった。前半14分、FKの好機に正確なボールをゴール前へ送ると、橋本がきれいに頭で合わせてゴールした。
試合は日大藤沢が優勢に進めたが、法政二の粘りに遭った。攻守の切り替えの速さに苦しみ、後半13分に同点ゴールを奪われた。その時間帯は押し込まれる展開が増えたが、キャプテンマークを巻く龍剛の声に引っ張られ、チームは集中を切らさなかった。
1-1で両者譲らず、決着は延長戦へ。その前半2分、再びセットプレーから勝ち越しに成功した。左CKから龍剛が右足で巻いたボールがゴール前へ。再び橋本が打点の高いヘディングシュートを見舞い、均衡を破った。
こうなると流れは日大藤沢だった。延長後半1分にFW徳能大智(3年)の折り返しをFW国近孝蔵(2年)が押し込み3-1。さらに同4分に徳能がドリブルシュートをゴール左へ決めて駄目押した。
初戦を制した龍剛は「本当に難しい試合でした。相手も引退かけて失うものがないと思って120%の力を出してきた。(追いつかれて)気持ちがマイナスに行くところもあったけど、しっかりみんなで粘って戦えたのが良かった」と話した。
最終学年は主将という重責が加わった。父も川崎Fでキャプテンマークを巻いた。「多分、(父と)似ている感じは増していると思います。それは受け止めつつ、自分らしいプレーを心がけています」。チーム全体を見る立場でもあるが、それに囚われすぎず、個人としてのハイパフォーマンスをどう出せるか。今季は2つのことを同時に立てながらやってきた。
俯瞰(ふかん)的にピッチを見る目は、父との日常的なサッカー談義で磨き挙げてきた。「1つ1つの言葉の重みが違う。歳を重ねるごとに、どんどん理解できるようになってきた」と父の教えが血となり肉となっている。
その龍剛の2アシストから2得点したのが橋本だ。父はナイジェリア人、母は日本人。高い身体能力を武器に、圧倒的な空中戦の強さを披露。セットプレーは日大藤沢の大きな武器となっている。
「龍剛のキックの質がめちゃくちゃ上がっている。どこで合わせるかのチームのルールもはまっています。またキャプテンとしても頼れるところしかない。頼ってばっかりです」と橋本は笑う。
昨年の全国大会も途中出場ながら経験している。他にも当時を知る3年生が多く、今回もまた攻守にまとまった例年通りの強いチームとなっている。
インターハイはライバルの桐光学園に敗れて全国切符は逃したが、ひと夏を越えて大きく成長。冬の全国大会出場へ準備は万端整った。
前回の全国選手権は準々決勝で優勝した神村学園(鹿児島)に1-4と完敗した。涙で再び戻って来ることを誓っていたのが、龍剛だった。再び全国舞台で戦うことへの意欲は強い。
「でも、まだ本当に先を考えるのは早い。次は横浜創英ですけど、本当に1個ずつ勝っていきたい」
群雄割拠の激戦区・神奈川とあって、簡単な試合は1つもない。昇り龍のごとく、頂点に向かって着実に歩を進めていく。