【写真】2026年10月15日 ドジャース対ブルワーズ 2回裏ドジャース2死一、二塁、3点本塁打を放つ大谷翔平(撮影・垰建太)

ワールドシリーズ3連覇を目指したドジャースですが、残念ながらナ・リーグ優勝決定シリーズでブルワーズに敗れました。それでも、夢の3連覇へあと8勝まで行ったチームの健闘をたたえたいと思います。なぜなら、それぐらい世界一は長く険しい道のりだからです。

1903年にワールドシリーズが始まった当初は、ア、ナ両リーグともペナントレースを制覇すれば、あとは頂上決戦に勝つだけでした。それが69年に両リーグとも球団数拡張に伴い東西2地区制となり、各地区優勝チーム同士によるプレーオフが導入されると連覇は難しくなってきました。

特に、94年から両リーグとも東中西3地区制になると、地区シリーズからリーグ優勝決定シリーズ、ワールドシリーズと各チーム最大19試合の長丁場になり、プレーオフ、ワールドシリーズを引っくるめて「ポストシーズン」という呼び名が誕生。その後ワイルドカードの枠も増え、ますます長く険しい道のりとなりました。

実際、91年から14年連続地区優勝したブレーブスが世界一に輝いたのは1度だけ。また、毎年のようにポストシーズンに出場するヤンキースも09年しか世界一がありません。今世紀になってワールドシリーズ連覇のチームが一つも出ない状況の中にあって、昨年ようやくドジャースが初の2連覇を成し遂げました。

そして、今年ドジャースは2年連続サイ・ヤング賞のタリク・スクバルを加え、山本由伸、ブレーク・スネル、タイラー・グラスノーと超強力な先発投手陣を構成。大谷翔平投手はシーズン後半戦に投手復帰を断念するなど故障との闘いでしたが、エース級が4人もそろい、最も世界一になる確率は高いと思われました。

しかし、チームは盤石に見えても勝てないのが、ポストシーズンの怖さです。それもリーグ優勝決定シリーズではエース級が次々に先発し、毎試合リードしながら、昨年のリーグ優勝決定シリーズで4連勝したブルワーズ相手に思ってもみない、まさかの4連敗。前回王者が連覇する難しさが垣間見えました。

そんな中、大谷もポストシーズン最初の6試合で打率1割5分、0本塁打と打撃不振でした。米メディアからは、リーグ優勝決定シリーズ第3戦を前にスタメン落ちの可能性も指摘されました。それに対し、デーブ・ロバーツ監督はスタメンで起用。ただし、エンゼルス時代以来6年ぶりの6番まで打順を下げられました。

それでも、崖っぷちの第4戦では本来の1番起用に応え、2回に再起の3ラン。まるで88年ワールドシリーズ第1戦で満身創痍(そうい)のカーク・ギブソンがトレーナー室から打席に向かい、9回裏の土壇場で代打逆転サヨナラ本塁打という映画のような劇的シーンを思い起こさせる不屈の闘志あふれる一発でした。

かつて、ニューヨークのブルックリンに本拠地を置いた当時のドジャースが宿敵ヤンキースに何度対戦しても勝てなかった時、「来年があるさ!(“Wait `til next year!”)」というスローガンがありました。メジャー9年目のシーズンは終わりましたが、来年は再び大谷の二刀流完全復活に期待したいと思います。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【福島良一MLBコラム】大谷翔平の本塁打には88年Wシリーズのカーク・ギブソンが重なった 」