【野球少女たちの群像】「羽鳥ガールズ」16の瞳に吸い込まれて、藤沢通いが始まった
野球好きが集う奥渋谷のカフェ「Beasty Coffee」。たまたま向かい合わせで座った40代とおぼしきパパに言われた。「小5の娘が、女子だけのチームで野球をやってるんです。良かったら見に来ませんか」。柔かな物腰に900番台のニューバランスがよく似合った。直感で「ぜひ」と即答した。
初めて「羽鳥ガールズ」を訪れた7月5日は本降りになった。グラウンドから藤沢駅に待ち合わせを変更して、車で拾ってもらった。
外が使えない日は、住宅街にある公民館に集合するという。部屋に入って野球少女たちと顔を合わせた。緊張と照れから元気いっぱいとはいかなかったけど、身を寄せ合って、精いっぱいあいさつをしてくれた。
柔軟体操、柔らかいボールを使った捕球。ルールの座学。原美月キャプテン(12)が「仲が良くて、楽しい。とにかく仲が良くて」と繰り返した通り、部屋は広いのに、ピッタリくっついて過ごした。6年が4人。5年が2人。3年が1人。7人のお姉ちゃんに、1年生の新入部員がよく懐いていた。
3時間の最後、森徳浩監督(45)がホワイトボードを背に言った。「これからの目標、チームがどのように進んだらいいか、考えましょう」。
「もっとバッティング練習を増やす」「みんなでプールや海に行く!」。口々に思いが飛び交う中、誰かが「できれば、ガールズだけで野球がやりたい…」とつぶやいた。8人は黙ってうなずいた。
最初が雨で良かった。彼女たちの笑顔と、心配そうな顔。チームが置かれている状況が見て取れた。交代を含め、10人以上いないと試合はできない。今は合同チームで試合をしているという。6年生が卒団すると、残りは4人。
偶然の縁に甘えて、東京から1時間。こんなにも澄んだ瞳に出会えた。「2週間に1度、お邪魔させていただけませんか」とお願いした。【宮下敬至】
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森監督に「チームの紹介を」と尋ねると、こんなメールが返ってきた。
男の子ばかりのチームには少し勇気がいるけれど、野球をやってみたい! 羽鳥ガールズは、そんな女の子たちが集まる、女子だけの学童野球チームです。
私たちが目指しているのは、勝ち負けだけにとらわれず、夢中になりながら自然と上達できる「原っぱ野球」。
子どもたちが自分のペースで一歩を踏み出し、小さな「できた!」を積み重ねられる環境を大切にしています。
また、選手だけでなく、見守る親も一緒になって楽しめるのが私たちのチームの自慢です。
活動6年目を迎えた現在、卒団した子どもたちが成長した姿でグラウンドに戻ってきてくれ、選手たちと一緒に練習してくれる。そんな縦のつながりが、自然と生まれる場所になっています。
野球を通じて自分を好きになり、ずっと大切にしたくなる仲間に出会える場所。それが羽鳥ガールズの魅力だと思います。