【阪神】西勇輝、約5分の引退スピーチ 言葉の1つに1つに思いを込める/全文
<阪神2-1広島>◇7日◇甲子園
阪神西勇輝投手(35)が、18年間のプロ野球生活に別れを告げた。
本拠地の広島戦に先発。虎党から惜別の拍手で迎えられ、真っさらなマウンドに向かう。現役ラスト登板。最後は苦楽をともにしてきた梅野隆太郎捕手(35)とバッテリーを組み、1回1/3を無安打無失点、計3奪三振をマーク。打者4人をパーフェクトに抑え、有終の美を飾った。
試合後の引退セレモニーでは最後のスピーチを行い、家族をはじめ、これまで支えてくれた全ての方々へ感謝の思いなどを述べた。
「本日は阪神タイガースの球団関係者の皆さま、このような素晴らしい引退セレモニーを開いていただき、心から感謝しています。そして今日最後まで残ってくださった広島東洋カープの選手、スタッフ、ファンの皆さん、大切な試合の後にこのような時間をつくっていただき、本当にありがとうございます。そして今日、この甲子園で最後まで残ってくださる阪神タイガースのファンの皆さん、本当にありがとうございました。
高校を卒業し、18歳でプロの世界に入りました。18年間を振り返れば、勝ってうれしかった日もあれば、打たれて眠れなかった夜もありました。思うように投げられず『もう無理なんじゃないか』と思ったことも何度もありました。でも、それでも次の日になればまたボールを握っていました。もう一度マウンドに立ちたい。その気持ちだけは最後まで変わりませんでした。今振り返って、一番心に残っているのは勝ち星や数字ではありません。一緒に戦ってくれた仲間、指導してくださった監督、コーチ、毎日支えてくれたスタッフ、裏方の皆さん、そしてどんな時も背中を押してくださったファンの皆さんのおかげです。僕の力では18年間も投げ続けることはできませんでした。
オリックスバファローズの皆さん、高校を卒業したばかりの何も分からなかった僕をプロ野球選手として育てていただき、本当にありがとうございました。僕の野球人生の原点は間違いなくオリックスです。そしてオリックス時代から応援してくださったファンの皆さん、うれしい時も、悲しい時も、たくさんの声援で背中を押していただきました。あの頃、皆さんに応援していただいた時間があったからこそ、今の僕があります。本当にありがとうございました。
そしてタイガースの皆さん、タイガースに来てからいい時も、悪い時も、僕をチームの一員として受け入れてくれて、共に戦ってくださいました。皆さんと過ごした時間を誇りに思います。そして阪神タイガースの皆さん甲子園のマウンドに上がるたびに聞こえてきた声援、名前を呼んでくれた声、そしてこの景色、僕は一生忘れません。うまくいかなかった時も、皆さんの声に何度も背中を押してもらいました。本当にありがとうございます。
そして最後に家族へ。これまで僕は野球を一番にして生きてきました。勝った日も負けた日も、うれしい時も、機嫌が悪い時も、一番近くで支えてくれました。妻へ、長い間、僕が野球に集中できるように支えてくれて本当にありがとう。子供たち、野球選手としてのパパを応援してくれてありがとう。これからたくさん遊ぼうね。そして僕を産み、野球と出合わせ、ここまで育ててくれた両親、小学校から29年、長い間僕の野球人生を応援してくれて本当にありがとう。
18年間、長かったようで振り返ってみれば一瞬で、苦しいことも、悔しいこともたくさんありました。それでも今、胸を張っています。僕はやり切りました。野球を通してこんなにもたくさんの素晴らしい人たちに出会えたこと。そして18年間、大好きな野球を続けられたこと。僕は本当に幸せです。僕はタイガースに来てよかったです。本当に18年間、ありがとうございました」。
約5分。言葉の一つ一つに気持ちを込めた。
スピーチを終え、チームメートからの胴上げでは5度宙を舞った。最後は子どもと一緒に場内を1周。スタンドからは万雷の“西コール”が鳴り響く。感謝、惜別の拍手を一身に受け、誰からも愛された右腕は感無量の様子だった。