【写真】日本対ニュージーランド 前半、ボールをキープする中野就斗(2026年10月撮影)

<Nikkan Eye>

ワールドカップ(W杯)北中米大会後、初めての代表活動が終わった。

4連戦を3勝1分け(PK戦は引き分け扱い)。4試合目で日本代表(FIFAランキング17位)はニュージーランド代表(同86位)に2-1で勝利し、15年ぶりにキリン杯を獲得した。同試合では戦術の幅を広げる取り組みとして、4バックにチャレンジ。担当記者による「Nikkan Eye」では、世界の潮流と森保一監督(58)の理想、27年アジア杯サウジアラビア大会以降を見据えた戦い方について考える。

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スタートポジションから4バックで臨むのは、24年3月のW杯アジア2次予選北朝鮮戦以来だった。左から鈴木淳之介、伊藤洋輝、瀬古歩夢、中野就斗と4人のDFを並べた。両サイドバックが高い位置を取り、相手を押し込む。2年7カ月前の試合でプレーしたのは伊藤だけだったが、スムーズにゲームを展開した。

もともと森保ジャパンは第1期から4バックを採用していた。ただ期間が空いたこともあり、指揮官は原点回帰の考え方を否定。「もう1回思い出してやるということではないかなと。4バックで戦うベースの部分をミーティングでコーチ陣が落とし込んでくれた」。選手の所属クラブでの戦術的な要素も練習中に随時付け加えていくなど、新たな4バック像を構築していくイメージだった。

活動前から4試合目で4バックにトライする方針だったという。これまで試合中の可変スタイルには取り組んできたが、11月のシンガポール遠征、来年のアジア杯に向けてスタートからのオプションを増やすことが今回のテーマだった。

良い面、悪い面がともに表れた。先制点の場面では中野のクロスから上田がゴール。逆サイドの鈴木淳もペナルティーエリア内まで上がるなど、攻撃に厚みをもたらした。一方で失点場面では中野の戻りが間に合わなかった。

なぜ4バックにトライするのか。考えられるのは強豪対策だ。押し込むアジアでの戦いで効果的だった3バックは、押し込まれるとどうしても両ウィングバックがDFラインまで吸収され、攻撃に転じる位置が低くなる。トップクラス相手に最終ラインを5枚ではなく4枚で守れれば、より重心が高くなる。以前森保監督が「理想」と語ったのは、24年6月のW杯アジア2次予選シリア戦の後半。伊藤、町田浩樹、板倉滉、冨安健洋とセンターバック(CB)級の守備力を持つ4人が並んだ45分間だった。

格下、互角の相手にも有効になり得る。今夏のW杯の4強は全て4バックを採用。押し込む展開で、カウンターを浴びても強力な2CBがある程度守れることが世界基準になりつつある。アジア相手なら、今の日本のCB陣は十分その力がある。そこで求められるのはサイドバック(SB)の人材だ。かつては内田篤人、長友佑都、酒井高徳、酒井宏樹ら豊富だったが、現在5大リーグにいるのは菅原由勢、小杉啓太、橋岡大樹くらい。アジア杯制覇、さらにはW杯優勝に向けて、システムの使い分けは不可欠。世界トップ級のSB出現が望まれる。【佐藤成】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本代表】良い面、悪い面ともに表れた強豪対策の4バック 世界トップ級のSB出現が望まれる 」