【写真】高校野球で議論されている7イニング制移行の問題を受け、日刊スポーツがU18アジア選手権で行ったアンケートに協力する選手や指導者たち(撮影・平山連)

高校野球で導入が検討されている「7イニング制」は、アジアからどう見られているのか-。日刊スポーツでは、9月7~13日に台湾で行われた「第14回BFAU18アジア選手権」の参加国へアンケートを行った。日本を除く7チームの選手やコーチ、メディア関係者らを対象に調査。16~18歳の高校年代で「7イニング制の採用に賛成またはおおむね賛成」の回答が約7割に上った。現場から9イニング制を維持したい声が圧倒的な日本とは対照的な結果となった。【取材・構成=平山連】

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<各国反応>

▽シンガポール代表・菊名裕貴コーチ「シンガポールには、日本のような高校野球の制度がなく、16~18歳の選手の活動は、主にナショナルチームやアメリカンスクールのクラブチームに限られています。国内ではアメリカンスクール主催の大会が開催されていますが、試合は7イニングや9イニングではなく、時間制で行われています。また、国内には正式な野球場がなく、野球ができる環境はアメリカンスクールの校庭などに限られています。そのため、ナショナルチームも週2~3回、ソフトボール場を利用して練習を行っています。日本の高校野球は、今もアマチュア野球の中で最も注目を集める存在であり、メディアでの露出も多く、日本独自のスポーツ文化として誇りに思っています。単なる勝敗だけではなく、3年間という限られた期間で選手たちが仲間とともに一つの目標に向かって挑戦し、人間的にも成長していく姿が、多くの人の心を動かしているのだと思います。一方で、伝統を大切にしながらも、選手の健康や将来を守るために、時代に合わせてどのようにバランスを取っていくのかは非常に難しい問題だと思います」

▽スリランカ代表・古谷拓斗コーチ「日本でずっと野球をしていたことから、感覚的に中学は7イニング、高校は9イニングがやっぱりしっくり来るのは事実です。ただ、スリランカにおいてはコントロールよく投げられるいいピッチャーが少なかったり、守備が脆かったりするので9イニングで試合を維持することが難しいんです。スリランカでは試合がおしていて、後ろにピッチャーがいない場合なんかは両監督の話し合いにより、この回で終わりにしましょう-なんてこともあります。もともとクリケットをプレーしている子が多くて、クリケットの投げ方をしたまま野球へと移っていくと、肘のケガにつながりやすいという指摘も現場から出ています。今のスリランカにとっては7イニングを慣れる段階です」

▽父が米国人のタイ代表AJダム投手兼内野手「(暑さから7イニング制を望む声があることには)対策なら確実にできるはずです。暑いのは確かですが、日にもよります。もし暑すぎるなら中断するとか、警報を出すとかすべきだと思います。全ては選手がどう感じているか次第です。選手たちがプレーできない状態なら、試合は成り立ちませんから。選手次第ですね」

▽香港代表・マー・ハオシュエン内野手「(7イニングか9イニングかは)特別な感覚がないです。香港では高校野球というシステムが定着していないから、4回で終わることもあれば、5回で終わってしまうこともあります。同世代との試合は国内ではなく、代表チームで集まって練習したり、お互いに試合をしたりしています。できるのであれば9イニングでプレーしたいし、やるべきだと思います」

▽フィリピン代表ガルシア外野手兼内野手「日本のようなチームだと終盤の2イニングで逆転や反撃のチャンスが生まれるけど、フィリピンのような国だと、そもそも試合で投げられるレベルのピッチャーが少ない。ピッチャーが限られているので、終盤でゲームのレベルが落ちちゃうことがよくあるんです。選手層やメンバーのクオリティーを考えると、7イニング制のほうがいいと思います」

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【高校野球7回制 アジアの声】「試合を維持することが難しい」各国反応は日本とは対照的な結果 」