マンC財政規則違反の告発者に生命の危機、保護プログラム継続を要請
マンチェスター・シティーが2008-09年~17-18年シーズンの間に115件に及ぶ財政規則違反があったとしてプレミアリーグの独立委員会から有罪認定を受けた中、生命の危機にさらされている告発者のルイ・ピント氏(37)がポルトガル内務省への証人保護プログラムの継続を要請している。
米主要スポーツ専門メディア「The Athletic(ジ・アスレチック)」や英BBCなどによると、「フットボールリークス」の創始者でありポルトガル人のコンピューターハッカーのピント氏は、17年にフィッシングメールを使ってマンチェスターCの機密文書を入手し、公開した。その後、欧州メディアにリークし、同クラブの財務状況を白日のものとした。
一方で機密文書の公開以来、生命の危機に脅かされており、20年8月から警察の身辺警護が受けられる証人保護プログラムの恩恵を受けている。しかし、ポルトガル政府からは危険リスクが下がったとして10月10日で同プログラムの権利を失う状況となっていた。そんな中、プレミアリーグが有罪認定した中で、ピント氏への脅迫や殺害予告がSNSを通じてやまない。そこであらためて保護プログラムの継続を申し込んだという。
ピント氏の弁護人は「暴露はサッカー界の透明性と誠実さに寄与したもの」と強調しており、一連の行為の正統性を訴えている。
なお、ピント氏は23年にサイバー犯罪と恐喝未遂で4年の執行猶予付き判決を受けたが、26年4月に無罪が確定している。
今回の騒動の内容は、マンチェスターCが10年間にわたり複数の商業パートナーとの偽装契約を結び、収入を人為的に水増ししていた。その水増し額は9億ポンド(1872億円)以上にも及ぶ。その粉飾決算と金満経営で多くの有力選手をかき集め、数多くのタイトルを手にしたというもの。クラブ側は猛反発し、プレミアリーグの有罪認定を受けてすぐさま控訴している。
この騒動により、関心は今後の展開だ。
まず今季のプレミアリーグの処遇はどうなるのか? 罰則でイングランドチャンピオンシップへの降格はあるのか? 罰則となった場合は選手の流出も予想される。そこは近年のサッカー界を代表するメガクラブ。UAEのアブダビ政府が所有する「エティハド航空」を筆頭に多くのステークホルダーを抱え、その影響力は計り知れないものとなりそうだ。
また、ピント氏は国際サッカー連盟(FIFA)のインファンティノ会長へも矛先を向けており、「彼はサッカー界のがんのような存在になっており、サッカーの未来に居場所はない」とSNSに投稿。18年には、同会長がマンチェスターCとパリ・サンジェルマンが欧州連盟(UEFA)のファイナンシャル・フェアプレー違反の制裁を受けないように介入したとも告発している。
サッカー界を巻き込む一大スキャンダルに発展する可能性がありそうだ。