【写真】阪神対巨人 9回裏阪神2死二、三塁、ライデル・マルティネスは大山悠輔に同点適時打を浴びる(撮影・上田博志)

<阪神2-2巨人>◇1日◇甲子園

逆転優勝を狙う巨人にとって、絶対に負けられない試合だったはず。1点リードの9回裏、抑えのマルティネスがマウンドに立った。大山を打席に迎えた2死二、三塁、カウント2-2からだった。内角を狙った真っすぐが甘く入り、センター前に痛恨の同点タイムリーを打たれた。

なぜ、強引な勝負にいったのか? 大山は第3打席に同点ホームランを放ち、3試合連続本塁打としていた。2球で2ストライクに追い込み、「早く終わりにしたい」という色気が出たのかも知れない。しかし、好調な5番打者で、一塁は空いている状況だった。

カウント1-2から捕手の小林は内角高めのボールゾーンに真っすぐを要求した。この球がすっぽ抜け気味になって頭部付近へのボールになった。そして再び、小林は内角に構えた。この瞬間、危ない予感は大きく膨れ上がったといっていい。

ピッチャー心理を考えてほしい。頭部付近に投げてしまうと、どうしても次は当ててはいけないという心理は大きくなる。失投は予期できるし、投げさせてはいけない球種とコースだった。

歩かせてもいい場面なら、外角のボールゾーンに投げるスライダーか、低めのフォークだろう。おそらく小林は、この場面で2球続けて内角への真っすぐを予期しないと思ったのだろう。しかし打者は危険な内角を攻められたことによって、勝負にくると強く意識する。次打者は6番の高寺。投手の心理は説明した通り。確かにこの場面で内角への真っすぐは予期しにくい球だろう。しかし、それは投げさせてはいけない球だった。

ゲーム展開的にも、9回で試合を終わらせておけば、攻め続けた負けた阪神に与えるダメージは大きかった。巨人は残り2試合を勝っても、阪神は残り5試合で2つ勝てば優勝が決まる。引き分けは、負けに等しい試合だった。(日刊スポーツ評論家)

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【宮本慎也】巨人逆転Vへ負けに等しいドロー 1点リードの9回裏、なぜ強引な勝負にいったのか? 」