【写真】広島対巨人 11回裏広島1死満塁、勝田成の右犠飛でサヨナラ負けの巨人橋上秀樹監督代行((中央))。左手前は大城卓三、右手前は巨人8番手の赤星優志(撮影・加藤孝規)

<広島2-1巨人>◇22日◇マツダスタジアム

近年、稀に見る熾烈(しれつ)な首位争いをする巨人が延長戦の末、サヨナラ負けをした。もちろん、残り試合を全勝できればいいのだが、現実は甘くない。それよりもどれだけ1試合1試合を集中して戦えるかが重要になってくる。目の前のプレーに集中し、やるべき事に撤する。その積み重ねが優勝をもたらす。しかし巨人の野球は、優勝するチームのプレーではなかった。

勝敗に直接関係ないプレーに引っ掛かりを感じた。5回表、先頭打者の6番・坂本が初球を打ってサードゴロに倒れた後だった。続く鈴木大はカウント1ボールから一塁側にセーフティーバントをしてタッチアウト。そして8番の笹原は初球を打ってサードゴロ。わずか4球でチェンジになった。

自分の持ち味を出そうとするのはいいが、もう少し試合展開を考えてほしい。この場面、7番と8番を打つ打者なら、なんとか出塁をして投手の打席まで回すことを考える必要がある。回せなかったとしても、少しでも多くの球数を投げさせる努力も必要になる。そういう意図はまったくといっていいほどなかった。

まずチームのために必要な野球の知識が薄すぎる。鈴木大が俊足を生かし、ファーストストライクでセーフティーバントを狙うなら、一塁ベースまで距離のある三塁線のギリギリを狙うべき。1ボールという打者有利のカウントで、ファウルになってもカウントは1-1でチャンスは残る。球数も増やせる。自分の武器を最大限に生かし、チームの勝利に貢献するための狙いではなかった。

続く笹原もたった3球で2アウトになったことを理解していない。まずは1ストライクまで打たずに待つか、確率よくホームランにできそうな球を狙うなら分かる。しかし結果は外角のスライダーを強引に引っ張ってのゴロだった。ヒットで出塁しやすい打球方向ではない。結果、わずか4球で終わり、重い空気だけが残った。

右翼を守る笹原は3回裏1死二塁からのライト前タイムリーでも、バックホームの送球で高投し、打者走者を二塁に行かせてしまった。4連戦の初戦で、先発投手の戸郷には少しでも長いイニングを投げてほしいが、得点圏に進ませてしまい、余計な力を使わせてしまった。

当たり前だが、残り試合は全力プレーの総力戦になる。その中でどれだけ疲労を蓄積させないかが勝負の分かれ目になる。若手を起用するのはいいが、ここまでくるとチームへの貢献を考えられない選手は足を引っ張ってしまうだろう。(日刊スポーツ評論家)

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【西本聖】巨人の野球は優勝するチームのプレーではない 貢献を考えられない選手は足を引っ張る