【東京V】城福監督「よく追いついたとは選手は言いませんでした」でも「内容は格段に向上」
<明治安田J1:東京V1-1千葉>◇13日◇第7節◇味スタ
東京ヴェルディは終了間際、DF林尚樹(28)の起死回生の同点ゴールで辛くもジェフユナイテッド千葉と1-1で引き分けた。
アディショナルタイムの後半47分、MF溝口修平の正確なクロスボールを頭で押し込んだ。
今季7試合を終えて4分け3敗(勝ち点4)で19位。同勝ち点の最下位・千葉を得失点差で上回っている。
試合後の会見。城福浩監督(65)は厳しい表情で総括した。
「この内容で勝ち点1っていうのはもちろん手放しで喜べるはずがなく、あれだけの内容で一瞬のスキっていうのは我々のまだ拙さだと思います。本当に(失点は)あのひとプレーだけだと認識しているので。よく追いついたとは選手は言いませんでした。ただ、内容に関してはここ数試合で格段に向上しているので、ここは全否定するものでもなでもなくて、これを続けるのみだと思います。クロスの数もCKの数も相手の何倍かわかりませんけども、おそらくCKは9本と1本ということは象徴してると思うんですけども、この内容を続けるのみだと思います。この内容を続ける中でスキを見せてはいけない。我々が今の力で対応しうる場面でスキを見せたら勝ち点をこぼしてしまうので、ここは反省の方が強いです。サポーターは背中押してくれてるんで、彼らに応えたいという思いでが強いです」
城福監督が話した通り、内容は良かった。ボールを握り、中盤を使って両サイドへ展開。シュート16本が示す通り、好機を多く作った。
大黒柱のMF森田晃樹が長期離脱となる中、負傷からコンディションを取り戻したMF斎藤功佑が2試合連続して先発出場。MF平川怜とのボランチが高い技術を見せ、テンポ良くボールを縦へ横へと配球。城福監督の言う「ヘソ」が機能したことで、今季失われていた攻撃のリズムがよみがえった。
その点について問われると、城福監督はこう回答した。
「ボランチの故障が相次いで、その中で斎藤功佑が戻ってきて、ほかの選手も頑張ってはいますけども、J1のリーグの中で自分で決断してボールを動かしていくっていう経験がやはり少ない選手が多いんでね。彼が戻ってきて、彼の決断力はチームの助けになってると思います。このボールを預ける方にも『寄こせ』っていう状況でボール呼び込むんでね。ようやく彼がある程度の時間やれるようになったっていうのは、このチームにとっては自分たちらしさを取り戻した1つの要因になっているかなと思います」
斎藤は後半28分でベンチに下がったが、これは足をつったからだった。
「まだ練習試合含めて90分やったことがない状況で今シーズン迎えているので、フル合流してまだ10日も経ってないと思うんでね。徐々に慣らしながら、もちろん彼が交代してもペースがダウンしないような、ほかの選手のレベルアップっていうのはもっと研ぎ澄ましていかないなというふうに思っています」
また、岡山から移籍してきたFW一美和成が合流から3日で新天地デビュー。後半20分からの出場だったが、攻守に渡ってハードワークをこなしながら持ち前の攻撃力を発揮。周囲との連係もかみ合い、即戦力としての期待はふくらむものだった。
「彼は向こう(岡山)でケガをしていて、離脱していた。なので本当にピッチの上でしっかりやったのが3日前で、2週間ぶりぐらいだったと聞いています。なので、ゲーム体力がどこまで落ちてないかっていうのはちょっと確認するすべもなく投入したっていう感じですけど。基準はもうすでにJ1で彼は示している」
その上で「何分やれるかというところとか、お互いの特徴、まだ全部分かり合えてるわけじゃないので。その中ではよくやったと思いますけども、彼だけじゃなくて、先発争いをもっと激しい高いレベルでやってほしいですし、後から投入されてゲームチェンジャーになれるようなレベルの底上げっていうのは継続してやっていかなきゃいけないというふうに思っています」
勝てなかった。大いに反省すべきところだったが、負けなかった。何よりヴェルディらしくつないで、攻撃を仕掛ける形が随所に見えた。加えてエース染野唯月と双璧となるFW一美の存在も今後への期待を膨らませるもの。厳しい表情ながらも、城福監督の口を突く言葉はポジティブな雰囲気をまとうものばかりだった。【佐藤隆志】