【写真】巨人対阪神 10勝目を挙げた巨人竹丸和幸は「10」と書かれたボールと記念撮影(撮影・浅見桂子)

<巨人1-0阪神>◇12日◇東京ドーム

度胸たっぷりのルーキーが、逆転優勝への道筋を作った。巨人竹丸和幸投手(24)が首位阪神との直接対決に先発し、7回無失点10奪三振の快投。阪神村上との投げ合いを制し、10勝目をあげた。巨人の新人で2桁勝利をマークしたのは13年菅野以来、13年ぶり。本拠地東京ドームでの今季最後の伝統の一戦に勝利。阪神戦の連敗を7で止め、8月9日以来となるゲーム差を0・5に縮めた。

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竹丸は感じていた。「コントロールがうまくつかないな」。立ち上がりから3イニング虎打線にゼロを並べるも、決め球のチェンジアップが時折一塁方向へ抜け、直球も捕手大城の構えとは逆へ行く。前回登板ほど、思い通りボールを操れていなかった。己の状態を把握し、迷わず決断した。「(コントロールは)諦めて、割り切って。しっかり腕を振っていこう」。狙った場所へ投げることより、球の強さを優先した。

4回、先頭はセ・リーグ3冠の佐藤。対角線に向かって目いっぱい腕を振った。3球続けた直球は外角へ149キロ、150キロ、151キロと球威があった。さらにスライダーを2球続け、最後は高めに抜けながらも空振りを奪った。「どの球種もすごいアバウトだった。でも、しっかり腕を振って真っすぐを投げられた」。割り切りをすぐさま結果につなげた1打席だった。

自分の感覚には、昔から正直だった。中学時代に所属した広島スターズでの公式戦。救援投手としてブルペンで肩をつくっていると、監督から「次の回行くぞ」と告げられた。返した言葉は「今日はやめておきます。ストライク入る気がしないから」。当時を指導していた池田監督は「違うと思ったことははっきり言う。人一倍負けん気が強かったです」と振り返る。自分の状態を客観視できることと、それをはっきり伝えられる度胸は、中学生にして備わっていた。

三塁にはプロ20年目の大先輩・坂本がいた。マウンドで「投げ急ぐな」と声をかけられ「一息つけました。すごく大きかったです」と、7回まで投げきった。横から投球を見守ったベテランは「すごいですね」と舌を巻き、橋上監督代行は「気持ちよく投げているような感じでした」と目を細めた。「優勝できるように頑張ります」。お立ち台ではにやりと笑いながら、いつも通り声のトーンは低め。大一番の試合後も、冷静に己の感情を表現していた。【北村健龍】

▼巨人ルーキー竹丸が10勝目。巨人新人の2桁勝利は13年菅野以来12人目。過去11人のうち10人が右投手で、左腕では1リーグ時代の39年中尾に次いで87年ぶり2人目だ。また、この日も10三振を奪い、2桁奪三振は6度目。ルーキーで2桁奪三振を6度以上は11人目。最多は90年野茂(近鉄)の21度があり、セ・リーグで6度以上は59年村山(阪神)9度、67年江夏(阪神)と93年伊藤(ヤクルト)7度、56年秋山(大洋)と03年木佐貫(巨人)6度に次いで6人目。巨人新人で6度は木佐貫に並ぶ最多となった。

▼首位阪神と2位巨人が0・5ゲーム差に接近。両チームが0・5ゲーム差以内は、同率首位だった8月10日以来になる。13日の試合で阪神が中日戦に●、巨人がDeNA戦に○の場合、巨人が勝率5割5分9厘の1位、阪神が勝率5割5分6厘の2位となるが、阪神のマジックは消えない。仮に、2位チームにマジックならば21年10月26日ロッテ以来で、セ・リーグでは10年9月29日阪神以来、16年ぶりになる。なお、巨人のM点灯は最短でも17日。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【巨人】竹丸和幸 迷わず決断「割り切って。しっかり腕を振っていこう」球の強さを優先し10勝目