【写真】阪神対巨人 4回裏阪神2死一、二塁、先制の左前適時打を放ち塁上で気合いを入れる坂本誠志郎(撮影・前田充)

<阪神4-1巨人>◇29日◇甲子園

阪神に今季初のマジック23が点灯した。絶対とは言えないから安心できないが、戦前から「阪神優勝」と言い続けてきたから順当だった。もっと2位以下を引き離していてもおかしくないほどだ。

阪神としては先手を打った4回、中押しになった5回は、いずれも2死からの得点だった。しかも2度とも「申告敬遠」された直後の適時打だったから、巨人にさらにダメージを与えることになった。

その意味では「申告敬遠」という、1つの作戦が明暗を分けた。4回裏。巨人は佐藤右二塁打、大山左飛で2死二塁の場面で、すぐに6番高寺を申告敬遠で歩かせた。高寺は2回の前打席で巨人インサイドへの攻めに苦しそうだった。

巨人は対高寺に様子をみながらの投球を選択すべきだった。「高寺か、坂本か」のどちらで勝負するかのてんびんにかけたが、ベンチの指示として少し早まった判断だった。そして一、二塁から、7番坂本に左前適時打を許してしまう。

巨人は5回裏も、近本の右二塁打で2死二塁になったが、ここでは4番佐藤に勝負にいった。田中将は明らかに投げにくそうで、3ボールになった時点で申告敬遠した。ここは最初から佐藤との勝負を避けるべきだった。

結局は2死一、二塁から5番大山に中前タイムリーを浴びたが、対佐藤に投じた「3球」はムダ球になった形。巨人としては申告敬遠した後で2度とも打たれてはいけなかった。

ベンチの作戦は阪神に“吉”、逆に巨人に“凶”と出た。

(日刊スポーツ評論家)

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【梨田昌孝】明暗分けた巨人ベンチの2度の「申告敬遠」作戦は阪神に“吉”、巨人に“凶”と出た