【阪神】大山悠輔6号ソロで7年連続50打点もチームは大敗「1日空くので、しっかり反省して」
<ヤクルト8-1阪神>◇3日◇神宮
負けても前進! 阪神大山悠輔内野手(30)が7年連続の50打点に到達した。0-5の6回に左翼ポール際に運ぶ6号ソロを放った。試合は1-8の大敗で連勝ストップも頼れる男が意地の一撃をお見舞いした。DeNAが巨人に敗れたため、優勝マジックは1つ減って34。着実に歩を進めた。さあ、切り替えだ。5日からは名古屋に移動して中日3連戦(バンテリンドーム)。涼しいドームでマジック減らしだ。
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意地の放物線だった。中盤に失点を重ねて0-5。だが、やられっぱなしで終わらないのがマジック点灯チームのプライドだ。
0-5の6回。先頭大山は初球から集中していた。奥川の内角高めに抜けたスライダーを、思い切りたたいた。高々と舞いあがった打球が左翼ポール際のスタンドに落ちていった。
「1日空くので、しっかり反省して、火曜日からまたしっかり入れるように準備したいと思います」。
反撃開始の合図となるはずだった6号ソロだが、結局はこの1点だけに終わった。大山は神宮の虎党の大きな声援を浴びながら、口を真一文字に結んだ。
初回から4回連続で得点圏に走者を進めながら、あと1本が出ない。奥川とは今季3度目の対戦。2度とも打ち砕いてきたが、今回は佐藤輝が走者を置いて3度凡退するなど、阪神のペースに持ち込めなかった。そんな空気の中で出た鮮やかな一撃だった。
このソロで、プロ3年目の19年から7年連続の50打点に達した。並んでいたDeNA牧を抜いて再びリーグ単独3位に。佐藤輝、森下、大山と虎のクリーンアップトリオが上位3傑に並んだ。投高打低が顕著なセ・リーグで、大山も必死に役割を全うしている。
藤川監督の就任直後、5番の構想を告げられると同時に「打点にこだわってもらいたい」と期待をかけられた。98試合で6本塁打と大山にしては遅いペースだが、それにも理由がある。本塁打よりも、より得点効率の高い打席を増やすこと。フリー打撃から、さまざまな状況を想定したスイングを繰り返している。
もちろん1敗ではびくともしない。DeNAが敗れたため、マジックは1減って「35」になった。ペナントレースには相手がいる。慌てる必要は何もない。
大山のように個々の仕事を98試合、積み重ねてきたから今のチーム成績がある。藤川監督はノーダメージを強調した。「悔しい気持ちは神宮に置いて、前向きに名古屋に入りたい。攻撃に転じるのがすごく難しいような展開。でも本当に、みんな必死に戦ってる中なので」。悔しい1敗もエネルギーにして、また先へと進むだけだ。【柏原誠】