【阪神】大山悠輔「スミ1」47打点目で3位 7月.338好調の秘密は「汗をいっぱいかいてるから」
<阪神1-0広島>◇29日◇甲子園
0ばかり並んだ両軍のスコアボードに唯一の「1」が光る。阪神大山悠輔内野手(30)が虎の子の「スミ1」をたたき出した。
初回2死一、二塁。左腕床田はしつこく得意球のツーシームを外角に投げてきた。4球連続で見送ってカウント3-1。5球目、またもツーシームが外角ぎりぎりに入ってきたのを見逃さない。打球は鋭いライナーで左前にはずんだ。
「(意識は)打点を挙げるだけでした。大竹に先取点を、と。チャンスで回してくれたので、なんとか1点と思っていました。本当は追加点を取らないといけないんですけど、そんなに簡単にはいかない。勝ち切れたのはすごく大きい。チーム全員の勝利だと思います」
球宴をまたいで4試合連続の打点。47打点としてDeNA牧を離してリーグ単独3位に躍り出た。佐藤輝、森下と虎のクリーンアップトリオで極めてレアな「表彰台独占」だ。「そこ(打点)を求められていると思うので、仕事を果たせるように、もっともっと頑張ります」と照れ笑いした。
7月は打率3割3分8厘と個人の月別ダントツ。お立ち台で「汗をいっぱいかいているから」と冗談めかしたが、本当だ。練習量は極力落とさない。疲労がたまっている時に、フリー打撃であえて極端なフルスイングをすることがある。「シーズンを戦っていく中で、スイングの出力を弱めたくない。しっかり振って体の出力も高めたい」。何しろ、この猛暑だ。吐きそうなほどキツい。歯を食いしばってのコンディション作りが、勝負どころでの活躍につながっている。
「本当に目の前の1試合1試合。まずは今日取れたので、明日の試合も全力で、チーム一丸となってもう1回しっかり取りにいきたい」。飾り気のない言葉にも強さがみなぎる。マジック点灯にまつわる話題は、まるで人ごと。浮つく気配はみじんもない。【柏原誠】