米国野球殿堂入り式典で深々と一礼するイチロー氏(AP)

日本人として初めて米野球殿堂入りしたイチロー氏(51)が27日(日本時間28日)、ニューヨーク州クーパーズタウンで行われたセレモニーで英語スピーチを行った。

スピーチでは妻の弓子さんへの感謝と引退後の夫婦秘話、メジャーへの扉を開いた野茂英雄氏への思い、プロとしての心構えなどを19分間にわたって語った。イチロー氏らしいジョークも交えながら、所属したマリナーズ、ヤンキース、マーリンズ各球団の関係者、選手や家族らに感謝の言葉を残した。

【イチロー氏のスピーチ<7>】

「私がMLBで初の日本人野手になろうと決めた時、多くの疑問があったことは想像できます。でも、それは単なる疑問ではなかった。批判や否定的な意見もありました。『日本の恥になるな』と言う人までいました。そこで私を一番支えてくれたのが、妻の弓子でした。彼女も不安があったと思います。でもそれを私に感じさせたことは一度もありませんでした。彼女は自分が持っているエネルギーを、私のサポートや激励に使ってくれました。シアトル、ニューヨーク、マイアミでの19年間、彼女はいつも家庭が幸せで、ポジティブであるようにしてくれました。私は選手として一貫性を保とうとしてきましたが、彼女は私の人生で最も一貫したチームメートでした。引退してすぐの夜、弓子とデートをしました。現役中にできなかったことを、初めて2人でしてみました。スタンドに座って、一緒にマリナーズの試合観戦を楽しみました。ホットドッグを食べながら、アメリカ流に楽しみました。野球が私に与えてくれたすべての経験で、その瞬間まで私を支えてくれた人と一緒にホットドッグを食べながら見たあの試合が、何よりも特別な思い出です。米野球殿堂入りは、決して私の夢ではありませんでした。2001年にクーパーズタウンを訪れるまでは、何も知りませんでした。でも今日この場所にいると、ファンタスティックな夢を見ている気分です。本当にありがとうございました」

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 イチロー氏「弓子とデートしました」アメリカ流に楽しみ「何よりも特別な思い出」/スピーチ7