米殿堂イチロー氏、19分間の英語スピーチ “感動とユーモア”を米メディアたたえる
イチロー氏(51)が27日(日本時間28日)、殿堂入りセレモニーに出席し、19分間の英語スピーチを行った。このスピーチは米主要メディアでも取り上げられ、ユーモアとジョークで彩られたその内容は高い評価を受けた。
MLB公式サイトは「イチローが感動とユーモアで殿堂入りセレモニーのハイライトを飾る」との見出しで同氏のスピーチを紹介。「スズキは、このスポーツで史上最も影響力のある人物の1人として殿堂入りを果たした。だが、それと同時に、彼は長年、史上最も謎に包まれた人物の1人でもあった。彼のスピーチではそのベールが剥がれ、驚くべき一貫性を背景とした思考プロセス、そして抜群のユーモアにあふれた人柄が明らかになった」と、何度も爆笑を誘ったイチロー氏のスピーチをたたえた。
ESPNは「アメリカのファンにとって、スズキのユーモアあふれる一面を垣間見られる貴重な機会となった。チームメートたちは長年、クラブハウス内での彼のユーモアについて語ってきたが、クラブハウスは閉ざされているため、一般の人はめったにその側面を見ることができなかった。しかし、日曜日にその一面が存分に披露された」と伝え、イチローがスピーチに盛り込んだジョークを紹介した。
米紙ニューヨーク・ポスト電子版は「イチローが、英語で行った約20分のスピーチで話題をかっさらった。彼が英語を話せることは周囲の人々は知っていたが、公の場では常に通訳を伴い、日本語で話すことを選択していた。殿堂入り選手となったイチローは、マリナーズの背番号「51」のユニホームを着用した数千人のファンの前で、ウイットに富んだスピーチを披露した」と称賛。
同期で殿堂入りした元チームメートのC.C.サバシア投手(45)は「彼とプレーしていたから、あのようなスピーチができることは知っていたよ。彼の人柄や、彼がどれだけ努力しているかをファンが知ることができて良かった」と語った。
イチロー氏は今年1月の殿堂入り投票で、満票に1票足りない99・7%の得票を集め殿堂入りした。この日、野球の聖地であるニューヨーク州クーパーズタウンで開かれた表彰セレモニーで英語でのスピーチを披露。「これが3度目のルーキーです」「この場にいることは素晴らしい夢」などと語った。
日本人メジャーリーガーのパイオニア、野茂英雄氏にも言及し「野茂さん、ありがとうございました」と日本語で感謝の思いも伝えた。