米国ニューヨーク州クーパーズタウンで行われた米国野球殿堂入りセレモニーでスピーチをするイチロー氏=2025年7月27日(米国時間)※田口有史氏撮影。ノークレジット。外部提供だが2次使用可能、外部配信可能。

日本人として初めて米野球殿堂入りしたイチロー氏(51)が27日(日本時間28日)、ニューヨーク州クーパーズタウンで行われたセレモニーで英語スピーチを行った。

スピーチでは妻の弓子さんへの感謝と引退後の夫婦秘話、メジャーへの扉を開いた野茂英雄氏への思い、プロとしての心構えなどを19分間にわたって語った。イチロー氏らしいジョークも交えながら、所属したマリナーズ、ヤンキース、マーリンズ各球団の関係者、選手や家族らに感謝の言葉を残した。

【イチロー氏のスピーチ<2>】

「野球は僕に、何が大事なのかを判断する力を教えてくれました。それは、私の人生や人生の見方を形作ってくれました。子どもの頃は、永遠に野球を続けられると思っていました。でも年齢を重ねるにつれて、45歳まで最高峰のレベルで野球を続けるには、自分を完全に野球へささげないといけないと気づきました。ファンの方が貴重な時間を使ってプレーを見に来てくれるのだから、選手はそれに応えなければならない。10点差で勝っても負けても、開幕から162試合目まで同じモチベーションを持つことが義務だと思ってやってきました。私はシーズンの最後のアウトを取られるまで、道具を片付けたりすることはありませんでした。毎試合、集中力を保つことがプロとしての義務だと思っていました。ファンがいつ見に来ても楽しめるようにすること、これは当然のことです。野球は『プロフェッショナルとは何か』を私に教えてくれました。そして今日ここにいることは、まさにその姿勢のおかげだと思います。他の人より技術が優れていたからではない。3000安打やシーズン262安打は、記者のみなさんが評価してくれた数字です。まあ…1人を除いてだけどね。ちなみに、その記者を僕の自宅に招いて食事をする話は、もう無効になりました。あの数字は、僕が小さな毎日の積み重ねを、19年間一切欠かさずにやってきたから達成できたのです」

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 イチロー氏「自宅に招いて食事をする話は無効に」〝恨み節〟にファンから大歓声/スピーチ2