米国野球殿堂入り式典で笑顔を見せるイチロー氏(AP)

日本人として初めて米野球殿堂入りしたイチロー氏(51)が27日(日本時間28日)、ニューヨーク州クーパーズタウンで行われたセレモニーで英語スピーチを行った。

スピーチでは妻の弓子さんへの感謝と引退後の夫婦秘話、メジャーへの扉を開いた野茂英雄氏への思い、プロとしての心構えなどを19分間にわたって語った。イチロー氏らしいジョークも交えながら、所属したマリナーズ、ヤンキース、マーリンズ各球団の関係者、選手や家族らに感謝の言葉を残した。

【イチロー氏のスピーチ<1>】

「皆さん、ありがとうございます。私は今日、もう2度と味わえないと思っていた感情を感じています。人生で3度目のルーキーになった気分です。まず初めは1992年、オリックス・ブルーウェーブに高校生で指名を受けた時。そして2001年、27歳でマリナーズに入団して、再びルーキーになりました。そして今、ロッド・カルー、ジョー・ブレッド、トニー・ラルーサのような方々を前に、再びルーキーになったことを実感しています。この素晴らしいチームに、あたたたかく迎えてくださり、本当にありがとうございます。私はこの野球殿堂の価値を守っていきたい。でも、私はもう51歳ですから、お手柔らかにしてくださいね。(新人のイタズラで着た)フーターズ(有名スポーツバー)の衣装(女性用)は、もう2度と必要ないですから。最初の2回のルーキーでは、感情をコントロールすることは簡単でした。なぜなら、プロの世界でプレーするという明確な目標があったから。でも今回はまるで違います。子どもの頃は、『野球の聖地』にたどり着くなんて想像もしませんでした、存在すら知らなかったからです。みなさんはよく、私を記録で評価しますよね。3000安打、ゴールドグラブ10回、10年連続の200安打。悪くないでしょう? でも正直、野球がなければ、みんな僕のことをきっとこう言うでしょう。『コイツ、ただのバカだな』って」

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 イチロー氏「野球がなければ…みんな僕のことをこう言う」英語スピーチで笑い誘う/スピーチ1