【高校野球】市船橋エース川崎耕司「育ててくれた母に感謝」けがを乗り越え力投&V打/千葉
<高校野球千葉大会:市船橋8-7八千代松陰>◇27日◇決勝◇ZOZOマリン
6回1死二、三塁で登板した市船橋の川崎耕司投手(3年)は、空振り三振でピンチを切り抜けると雄たけびを上げた。
その後も気迫あふれる投球で、9回までゼロを並べた。タイブレークの延長10回表に4点を失うも、その裏に2死満塁からサヨナラ適時打を放って試合を決めた。
母雅子さん(45)は検見川(千葉)の野球部でマネジャーを務め、2年夏には県4強入り。準決勝で市船橋に敗れた。「私が好きだったので」と母の影響で小学1年から野球を始め、小学校時代はよく一緒にキャッチボールをした。雅子さんから「野球は投手が大事なんだよ」と度々伝えられ、いつしか投手へのこだわりが生まれた。
市船橋に入学後は1年夏から公式戦を経験。昨夏はフル回転の活躍で県準Vに貢献した。しかし新チーム結成以降はけがに悩まされ、昨秋、今春と大会で思うように登板できず。「このチームにどう自分が食らいついていけるのか」と他の選手の活躍に焦りを感じた。それでも懸命にリハビリを続け最後の夏、エースナンバーを背負い公式戦のマウンドに返り咲いた。
「マウンドに上がった以上は、最後まで絶対に譲らない」。くしくも母が敗れたZOZOマリンで、対戦相手だった市船橋のエースとして躍動した。「女手一つで育ててくれた母に感謝したい。甲子園では全力でやっていきたい」と力強く話した。