【高校野球】なぜか背番号「20」胡摩結月が驚異の勝負強さ「できれば甲子園は1桁で…」/石川
<高校野球石川大会:小松大谷8-7金沢>◇27日◇決勝◇石川県立野球場
小松大谷が逆転で2年連続4度目の甲子園出場を決めた。9回に2点差を追いつき、タイブレークの延長10回に2点勝ち越し。その裏を1点に抑え、喜びを爆発させた。
胡摩結月内野手(3年)が驚異の勝負強さを見せた。初回に先制の中前適時打。8回に適時二塁打、2点を追う9回は1点差として、なお2死二塁。凡退なら試合終了というまさに土壇場で、中越えに起死回生の同点二塁打を放った。
昨夏の甲子園では、5番打者として全3試合にスタメン出場。そんな男が、最後の夏は背番号20を背負う。故障でも何でもなく「ショックでした」と苦笑い。決勝ではチームの救世主になった。1年前の甲子園は12打数無安打だっただけに「去年、全然活躍できなかったのでリベンジしたいです。できれば甲子園は1桁番号がほしいです」と控えめに笑った。
延長10回は2死二、三塁から伊東希内野手(3年)が左前に流し打って2者をかえした。序盤から6失点という厳しい展開だった。
西野貴裕監督(50)は選手の粘りをたたえた。
「痛い序盤の失点だったけど、なんとか我慢してついていこう、もつれれば勝機があるからと言っていた。せったら、うち(の勝ち)だと思っていた。生徒たちが明るい雰囲気をつくってくれたのがよかったですね。最後は伊東がしぶとく食らいついてくれました。代打も考えたけど、信じました。すごくうれしいです」
小松大谷は19年からの6大会(20年は中止)で5度も石川大会の決勝に進出している。14年決勝の星稜戦で0-8の9回に9失点して大逆転サヨナラ負けを味わった。その「悲劇」は全国の高校野球ファンに強い印象を残した。
教訓が部に根付いている。星稜とはその後何度も熱戦を展開。今回の決勝でも粘り強さを発揮した。【柏原誠】