【高校野球】大阪桐蔭・中野大虎7回1失点、犠飛2本の「倍倍FIGHT」パワーで決勝へ/大阪
<高校野球大阪大会:大阪桐蔭8-1履正社>◇26日◇準決勝◇GOSANDO南港
阪神を含む複数のNPB球団が視察する中、大阪桐蔭の中野大虎(だいと)投手(3年)が投打で躍動した。7回6安打1失点で投げきり、打っては2本の犠飛で履正社を突き放した。4回には四球や長打で1点を失ったが、後続は断ちきり最少失点に封じた。「1球に魂を込めようと。それだけでした」。必死に腕を振ってライバル履正社を封じ、7回コールド勝ちの道筋を作った。
ナインには、主将として投打で隙のなさを意識するよう伝える。攻撃でも変わらない。「冷静にやっていたら、できる」。1点リードの4回1死一、三塁に初球を捉え、中犠飛。5点リードの5回1死一、三塁にも中犠飛。コールド勝ちへ着実に得点を刻んだ。西谷浩一監督(55)は「気持ちのこもった投球で、(攻撃も点と)点をつなぎながらやってくれた。さすが」とねぎらった。
タレント軍団を率いる重圧はすさまじい。「夏負けたら、甲子園に行けなかったら、と考えることもある。自分の中で打ち消して、どれだけ前向きに引っ張れるか、気持ちを殺して考えている」。アイドルグループ・CANDY TUNEの大ファン。試合前は人気曲「倍倍FIGHT」でテンションを上げる。
昨秋、今春と近畿大会初戦敗退。今春のセンバツ出場も逃した。「今日勝てたことで喜んでしまいそう。気を引き締めて、頑張る」。仲間を信じてあと1勝を。ライバル撃破で波に乗る。【中島麗】