智弁学園対橿原 4回裏智弁学園2死三塁、右中間へ2点本塁打を放った近藤(撮影・一樹)

<高校野球奈良大会:智弁学園9-2橿原>◇26日◇準決勝◇さとやくスタジアム(県立橿原)

3年連続23度目の聖地へ。名門・智弁学園が屈辱を乗り越え、ノーシードから決勝の舞台に戻ってきた。

4回裏智弁学園の攻撃。1点を奪い、なおも2死満塁で「1番左翼」の中道優斗外野手(3年)の打席。外角低めに来た直球をはじき返した打球は左中間を越えるグランドスラム。続く「2番一塁」の池内蒼(そら)内野手(3年)が右越えの三塁打を放つと、「3番右翼」の近藤大輝(ひろき)外野手(3年)がこの回2本目となる右中間へのアーチ。一挙7得点のビッグイニングとなった。

「苦しんでいる仲間のために池内と近藤と3人で絶対打とうと話していた」という中道が指しているのは、今夏13打数3安打と不振にあえいでいる主将の少路慶斗内野手(3年)。

副主将を務める中道は少路とともにチームを引っ張ってきた。春の県大会、3回戦でまさかのコールド負けを喫した時は、チームのために本気で悩み、衝突もした。苦しんでいる時に助け合うのがチーム。「少路を甲子園に連れて行く」。主将の復活を信じているからこそ出た中道の言葉だ。

チーム全員の帽子に書かれているのは「下克上」。秋の県大会で天理に敗れ、センバツへの道が閉ざされてから、スローガンとして掲げてきた言葉だ。決勝の相手は天理。リベンジの舞台は整った。結束力を増した智弁学園が、3連覇へ挑む。【一 樹】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【高校野球】ノーシードから下克上へ!智弁学園が3年連続の聖地へ王手/奈良