【高校野球】天理・冨田祥太郎が4戦連発「体が勝手に反応」79年桜井商・駒田徳広以来/奈良
<高校野球奈良大会:天理6-4奈良大付>◇26日◇準決勝◇さとやくスタジアム(県立橿原)
天理が3年ぶり30度目の夏聖地へ王手をかけた。初回に5点を奪ったが、その後はホームが遠く、我慢の時間が続いた。奈良大付に傾きかけた流れを止めたのは頼れるリードオフマンだった。
6回、併殺でピンチをしのいだ裏の攻撃。先頭打者は、今夏の全3試合で本塁打を放っている冨田祥太郎内野手(3年)。フルカウントからの6球目、内角低めに来た直球に「体が勝手に反応した」という打球は右翼手の瞬く間に通過。奈良大会では79年秋の桜井商・駒田徳広(現巨人3軍監督)以来、夏では史上初の4戦連発弾となった。
父の信一郎さん(46)は同校OBで3年時の97年センバツで遊撃手として優勝を経験。「母校の試合は親子でよく観戦していた。達くん(現日本ハム)たちの活躍を見て(祥太郎が)天理に行きたいと。自分から言ってくれたことがうれしかったですね」。仕事の都合で千葉県に移住。祥太郎も中学まではそこで過ごした。「お父さんに夏の甲子園の景色を見せてあげたい」。その思いで天理の門をたたいた。97年夏、県大会の決勝で敗れ、父は夏の聖地にたどり着けなかった。当時敗れた相手は智弁学園。リベンジの時が来た。【一 樹】