叡明対山村学園 延長戦の末、山村学園に勝利しガッツポーズする叡明・田口(撮影・河田真司)

<高校野球埼玉大会:叡明12-8山村学園>◇25日◇準決勝◇大宮公園野球場

7-7で迎えた延長11回2死二、三塁。叡明が青木柚吾捕手(2年)の適時打で勝ち越すと、打線が勢いづいた。4番の赤城翔内野手(2年)も3点適時三塁打を放ち、この回一挙に5点を追加。裏の攻撃を1点に抑え、3時間10分の激闘を制した。

初の決勝の舞台がかかったマウンドを託されたのは背番号6の田口遼平内野手(3年)。1年夏から遊撃手として試合に出場し、チームをけん引。点を取っては、取られて。一進一退の攻防にも「自分が先に退くわけにはいかない」と、気迫のこもった158球を投じ、11回を完投した。

叡明は2015年に小松原から名称を変更。校舎はさいたま市から越谷市レイクタウンへと移転し、共学化も図った。今年の春季県大会では準優勝し、初の関東大会に出場するなど、着実に力をつけている。

「物事の本質を捉えよ」。チームを率いる中村要監督(51)が大切にしている言葉だ。社会人野球の日本通運でプレーし、現役引退後は、浦和学院で7年間打撃コーチを務め、叡明の監督に就任した。求めるのは「考える野球」。この日も、1人1人が自分の果たすべき役割を理解し、勝利をたぐり寄せた。試合後には「選手たちの粘り。よくやってくれた」とナインをたたえた。

野球部の歴史を塗り替えた決勝進出。中村監督は「叡明の野球を貫いて、グラウンドで体現した先に結果が付いてくる」と力強く語る。新たな歴史を切り開くために-。聖地までは、あと1勝。【山本佳央】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【高校野球】叡明が打ち合い制し初決勝!背番号6の田口遼平が気迫の11回158球完投/埼玉