国士舘対早実 敗れた早実のエース中村主将は会見する(撮影・柴田隆二)

<真夏のライラック:早実・中村心大投手(3年)>

<高校野球西東京大会:国士舘4-3早実>◇25日◇準々決勝◇神宮

3回に左手人さし指のマメがつぶれても、早実のエース中村心大主将(3年)は腕を振り続けた。

2試合連続先発で8回145球で1失点の好投も報われなかった。「今年は自分たちの手で甲子園に行きたかったけど、負けてしまって悔しい」。2連覇を逃し、頬をぬらした。

1年夏からベンチ入りし、昨秋から「主将・エース・中軸打者」の3足のわらじを履いた。しかしセンバツで16強入りして以降、春季東京大会では背番号1を剥奪された。大会前にエースナンバーに戻ったが、チームも練習試合で結果が残せない日々が続いた。

「まわりの人からよく『こういう時こそ楽しめ』と言われたけど、自分はそんな強気なメンタルではいられない」と本音を漏らしたこともあった。それでも「自分の決めたことだけでもやる」。降板後の9回は三塁コーチに入るなど主将の責務を全うした。3つの重責をこなし、和泉実監督(63)は「こういうことが全て糧になってくれれば」と教え子の成長を願った。

地元京都から家族ともに越境し、3年間を過ごした。卒業後は投手に専念し、東京6大学リーグに挑む。「自分がやってきた3年間とこの仲間に出会えたのは、これからにつながる。感謝をしながら、前を向いてやっていきたい」。涙でぬれたえんじを次の舞台で輝かせる。【泉光太郎】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【高校野球】早実・中村心大、マメをつぶして8回投げる 卒業後は投手で東京6大学挑戦/西東京