バルセロナのロゴ(NURPHOTO=ロイター)

バルセロナは最終的にヴィッセル神戸戦を実施することになったが、楽天グループが肩代わりする未払い金は500万ユーロ(8億5000万円)だとスペイン紙スポルト電子版が25日に報じた。

日本と韓国で計3試合を実施予定のバルセロナは当初、27日に神戸と対戦するため、24日にスペインを出発予定だった。しかし、クラブは23日夜(日本時間24日)に突然、公式声明を出し「プロモーターによる重大な契約違反」を理由に、神戸戦の中止を発表。一方、韓国で開催される2試合(FCソウル、大邱FC)にこの件は影響していなかったという。

その後、このツアーで公式プロモーターを務める韓国D-Drive社も声明を発表した。「本日、試合の代金全額を受け取る予定だったが、最終的に資金は届かなかった。ヤスダグループは無効または偽造された書類を繰り返し提出し、すでに韓国に送金されたと虚偽の主張をして私たちを欺いた」とし、日本の試合で神戸とともに主管となっているヤスダグループが契約違反を犯したと主張した。

バルセロナが今回のアジアツアーで得る予定の収入は1500万ユーロ(約25億5000万円)だが、そのうち神戸戦の500万ユーロ(約8億5000万円)をプロモーターから受け取っていなかったとスポルト紙は説明している。

これにより神戸戦は中止になると思われたが、24日に状況が一転。ヤスダグループの未払い金を、17年~22年までのバルセロナのメインスポンサーを務め、この試合のチケット販売を担当していた楽天グループが肩代わりすることになった。

同紙はこの件について、「楽天グループは直接の主催者でなかったにもかかわらず、法的トラブルを回避し、日本国内における自社のイメージ悪化を防ぐため、費用を負担する選択をした」と説明。続けて、「バルセロナが楽天グループに対し、出発前に試合の代金を支払うことを要求した一方、楽天グループは送金が完了したら、契約を破棄しないという保証を求めた」というやりとりが両者の間であったことを明かしている。クラブ関係者によると、この状況は一部の選手の不快感や怒りを招いたとのことだ。

大きなトラブルがあったものの、バルセロナは当初の予定通り神戸戦を実施するため、25日11時に日本へ向けて出発することを決定したと同紙は伝えている。(高橋智行通信員)

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 最終的に神戸戦実施のバルセロナ、楽天グループが肩代わりする未払金は8億5000万円