ドジャース対ブルワーズ 3回裏ドジャース2死一塁、2点本塁打を放つ大谷。手前は一走ベッツ(撮影・垰建太)

<ドジャース5-6ブルワーズ>◇20日(日本時間21日)◇ドジャースタジアム

ドジャース大谷翔平投手(31)とムーキー・ベッツ内野手(32)のコンビは完全復活するのか-。20日(日本時間21日)のブルワーズ戦で、チームは打線をテコ入れ。トップバッターだった大谷を2番起用し、ベッツの打順を1番に上げた。MLBでの大谷に密着取材歴8年目の斎藤庸裕記者が、コラム「Nobu’s Eye」で迫った。

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大谷が第5打席を迎える直前、ベッツがセンターライナーに倒れ、試合は終わった。ネクストバッタースボックスにいた大谷は、引き揚げてきた同僚選手らを待っていた。凡退してバットを拾い、落ち込んだ様子で帰ってきたベッツの背中をたたき、前を向こうと促すようなリーダーシップを示した。

スター選手1人で頂点には立てない。持ちつ持たれつで常勝軍団が成り立つことを改めて感じさせられた。昨年、「1番大谷」が機能したのは、直後に控える2番ベッツの勝負強さがあってこそだったと言っても過言ではない。仮に大谷が勝負を避けられたとしても、ベッツが何度も試合を決める一打を放った。だからこそ、相手バッテリーは大谷との勝負を選択せざるを得ない状況となった。大谷は、ベッツを中心に同僚に助けられていた。

前人未到の「50-50」を達成した昨年、大谷はよく、全員野球がドジャースの強さだと口にしていた。「誰かが調子が上がらない中でも誰かがカバーする。そういう試合が多かった」。大谷の打撃力を最大限に生かすには、前後を打つメンバーが大谷をプロテクトする必要があった。

今、ベッツは苦しんでいる。大谷は2試合連続本塁打で状態が上向き。ロバーツ監督の言葉通り、大谷の状態が上がれば上がるほど、走者を出したくない相手からすれば、ベッツへ甘い球が来る可能性は高まる。今度は、大谷がベッツを助ける番。試合後に自然と出た行動が、その姿勢を示しているように見えた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 昨年助けられた大谷翔平が今度は助ける番 凡退「1番」ベッツの背中たたく/Nobu’s Eye