【鹿島】松村優太が決勝点!柏との首位対決で劇的勝利 鈴木優磨「勝ちきったことは評価できる」
<明治安田J1:鹿島3-2柏>◇第24節◇20日◇メルスタ
前節首位から4位に陥落した鹿島が首位柏に3-2で劇的勝利を飾り、2位に浮上した。2-2の後半追加タイム3分に途中出場のMF松村優太(24)が決勝点。会場名が7月1日から茨城県立カシマサッカースタジアム→メルカリスタジアムに変更された後、最初の試合をものにした。チケット完売で3万3400人が詰めかけた注目試合。上位との直接対決を制して16年以来9年ぶりのVへ、優勝戦線に踏みとどまった。
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執念の勝利だった。2-2の後半追加タイム4分、敵陣深くで相手のミスを見逃さずにボールを奪った松村が、ゴール前で冷静に相手GKをかわして左足で流し込んだ。今季初得点だ。
「(昨季の東京Vへの期限付き移籍から)僕が帰ってきた意味は、このチームを勝たせること。自分のせいで失点して、このままじゃ終われない思いだった」
激しい試合となった。ボール保持に優れる相手に対し、序盤は激しいプレスで対抗。前半5分、相手陣センターサークル付近でボールを奪うと、FWレオセアラが約35メートルのロングシュートを沈めて先制。その後はブロックを構えて自陣で守り固めた。同39分にはセットプレーから加点。直後に失点したが、1点リードで前半を折り返した。
後半も耐える時間が続いた。攻め込まれるも体を張った守備で追加点を許さなかったが、同31分に追いつかれた。直後にはPKを与える大ピンチを脱し、最終盤の勝ち越しにつなげた。内容は圧倒された。シュート本数は6対15と大きく下回ったが「鹿島らしく」勝った。鬼木監督は「その言葉に納得しすぎず、改善すべきところはしっかりとしたい」と気を引き締めた。
勝負どころだった。長らく首位を走っていたが、3連敗で陥落。一気に転げ落ちてもおかしくない状況だった。この日も逆転危機で「またか」と思われたが、勝負強さを示して「メルスタ」初勝利。これぞ鹿島。伝統を受け継ぐFW鈴木は「ここからは負けないより勝ちきることが重要。勝ちきったことは評価できる」とうなずいた。【佐藤成】