【高校野球】盛岡大付おにぎり食べて8強一番乗り 平野修至「量を意識」捕食効果てきめん/岩手
<高校野球岩手大会:盛岡大付17-3盛岡工>◇18日◇3回戦◇きたぎんボールパーク
今春王者が8強一番乗りを果たした。盛岡大付が盛岡工に17-3で5回コールド勝ちした。1-2の3回1死満塁、平野修至(しゅうじ)内野手(3年)の走者一掃、左越え適時三塁打で逆転に成功。これで打線に火がつき、終わってみれば計15安打で大勝を収めた。今春準Vの久慈も19-0で5回コールド勝ち。準々決勝進出を決めた。
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これが盛岡大付の強さだ。1-2の3回1死満塁の好機で、5番平野に打席が回った。「後ろが信頼できるバッターだったので、つなぐ意識で思い切りいくだけでした」と内角スライダーを振り抜いた。打球は左翼手の頭を越える走者一掃の三塁打。さらに相手守備の乱れを見逃さず、自らも一気にホームに滑り込んだ。「今の自分たちは1点取れば、絶対に流れに乗れると信じていました」。言葉通り、一挙11得点のビッグイニングをつくった。
1年前の屈辱を忘れた日はない。昨夏は決勝で花巻東に3-4。最後の打者は平野だった。1-4の9回裏に2点を返し、1点差まで追い上げるも、最後は空振り三振。原因は明白だった。昨年は夏にかけて体重が5キロ減り、65キロまで落ちた。「バットが全然振れない状態が続いていて、それがとにかく悔しかったです」と振り返った。
「来年の夏は変えなければいけない」。平野だけではなく、他の部員も同意見だった。新チームが始まった昨秋からすぐに行動を起こした。「寮母さんにお願いして、学校で食べるおにぎりを作ってもらうようになりました」と、チームで補食を始めた。平野は午前と午後に2個ずつ、練習後にはマネジャーにおにぎりをもう2個作ってもらった。3食に加え、毎日計6個のおにぎりを欠かさずにほおばった。
効果はてきめんだった。今夏は体重減少もなく、現在は73キロ。「食べる量を意識した結果が今につながっています」と胸を張る。チームとしても、ここまでの2試合で計25安打22得点。昨夏の反省が強力打線を生み出した。
次は2年連続の4強を懸けて、20日に高田と対戦する。「1勝するために何が必要なのかを意識して、全員で戦っていきたいです」。1つずつ、着実に。最後は昨夏の苦い敗戦を塗り替える。【木村有優】