「笑顔」と記した帽子と「えがお」と書いたお守りを持つ綾瀬・辺見(撮影・寺本吏輝)

<高校野球神奈川大会:法政二2-0綾瀬>◇17日◇3回戦◇大和スタジアム

綾瀬の辺見晴汰捕手(3年)は、どれだけ身体が痛もうと、笑顔を貫いた。

チームの正捕手だったが、1月に腰椎分離症を発症。腰のストレッチに励んだが痛みは改善せず、1度は負担の少ない外野手に転向。夏の2回戦から捕手に復帰し、この日も痛みを抱えながら捕手として3人の投手をリードした。

ストライクを取るたびに「よーし!」と笑顔で大きな声を出す。「自分は笑顔がモットー。笑顔を絶やさないようにしている」と話し、マネジャー作成の「えがお」と書かれたお守りを打席前に握りしめるという。どんな時でも変わらない笑顔が、チームを勇気づけてきた。

7回、腰の痛みは限界に達した。それでも仲間の「辺見しかいない」という言葉に奮起し、9回には「痛いかなんて考えられなかった」と盗塁。最後は歩くことすらきつかったが、仲間の思いに応えて見せた。

試合後、「自分でもこんなに動けると思っていなかった。これが夏大会の力なのかな」と素直な言葉が漏れた。1度は諦めた捕手に戻って終えた夏。「みんなが自分を捕手にしてくれたと言っても過言ではない。感謝しかないです」。涙を流しながらも、最後まで笑顔だった。【寺本吏輝】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【高校野球】腰の痛みを堪え貫いた笑顔 綾瀬・辺見晴汰「これが夏大会の力なのかな」/神奈川