広島対DeNA 力投するDeNA先発の東(撮影・加藤孝規)

<広島0-1DeNA>◇15日◇マツダスタジアム

DeNA東克樹投手(29)が、ハーラー単独トップ9勝目を8回3安打無失点の快投でマークした。序盤からコーナーを丁寧についた投球で球数少なくアウトを重ね、広島床田との投手戦を制した。8回には2死満塁と最大のピンチを迎えるも、広島菊池を二飛に仕留めて切り抜けた。93球の省エネ投球で役割を果たし、3年連続2ケタ勝利に王手をかけた。チームも2連勝で借金1。ここから追い上げモードに入る。

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最大のピンチこそ、東は自分を信じた。7回まで71球で2安打無失点。完封もチラつく1点リードの8回だった。2死二塁から連続死球。2死満塁で対するは苦手にする広島菊池。信頼を置く女房役・山本のサインに首を振った。「投げて後悔しない球の選択をした」と3球連続ツーシームで二飛に。自分を貫いてピンチを脱したが「それまでも祐大は良いリードをしてくれました」と山本への称賛も忘れなかった。

今季は勤続疲労を考慮し、シーズン序盤から中7日など登板間隔の空いたローテーションで回ってきた。当然、疲労は軽減しつつも1試合の重みは増す。6月には好投しながらも打線の援護に恵まれず、約1カ月白星から遠ざかることもあった。それでも「あまり気にしてなかったです。0に抑えたら負けることもなかった」とエースの自覚をにじませていた。

強い意志が、投手戦での粘りの投球につながった。7回まで両軍無得点の展開で、床田に投げ勝った。93球で8回3安打無失点6奪三振。テンポ良く、メトロノームのような安定感で、ハーラー単独トップの9勝目。「投げ合いに勝つことができたのは良かった。大きな1勝だったと思います」と自信を深めた。

これで14試合で9勝とエースとしての責任を果たす。「前半戦はしっかり休みながら投げられている。ここからが本当の勝負」。着実にギアを上げながら淡々とアウトを重ねる姿に、エースらしさがにじんできた。【小早川宗一郎】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【DeNA】東克樹8回無失点で単独トップ9勝「投げて後悔しない」ツーシームで8回ピンチ脱出