山城対京都成章 試合終了後、相手チームの校歌歌唱を悔しそうに見つめる山城ナイン(撮影・溝淵千夏)

<高校野球京都大会:京都成章5-1山城>◇15日◇3回戦◇わかさスタジアム京都

2月に逝去した同校OBで元阪神監督の吉田義男さんの母校である山城は京都成章に敗れて3回戦で姿を消した。吉田さんに甲子園出場の報告はできなかった。

1-1で迎えた4回。背番号1番の先発井上瑞貴投手(3年)が1死満塁のピンチを迎えると、暴投で勝ち越し点を献上。ここから崩れて2安打を浴びるなどこの回4点を失ってマウンドを降りた。

井上は「思うようにボールがいかなかった。あっという間に終わってしまった。悔やんでも悔やみきれない」と言葉を詰まらせながら語った。岸本馨一郎(けいいちろう)監督(40)は「1番を1年間背負ってくれてしっかり投げてくれたんで、彼には悔いあるだろうけど送り出した側は悔いないです」と井上を責めることはなかった。

昨秋の京都府大会4強。今春センバツでは21世紀枠の近畿地区候補校にも選ばれたが、甲子園には届かなかった。吉田さんが願った母校の甲子園出場。岸本監督は「近いうちに山城の名前を天国に届けたい」と吉田義男さんのいる空に誓った。【溝淵千夏】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【高校野球】昨秋4強の山城が3回戦敗退 2月逝去の吉田義男さんとの願い叶わず/京都