大谷翔平の変幻投球に一目瞭然の違い 走者の有無で…元メジャーリーガー驚嘆「難しいこと」
フジテレビ系の人気スポーツ番組「すぽると!」が13日に放送され、二刀流を再開し、今季5度目の登板を終えた大谷翔平投手(31)を近鉄、楽天、巨人OBでメジャーでも活躍した岩隈久志氏(44)が分析した。
番組では大谷の変幻自在な投球術に注目。復帰1戦目ではシンカーを多用、2戦目はシンカーを封印、3戦目は縦スライダーを多用など、登板ごとにテーマが変わっていた。
5戦目となった12日(日本時間13日)ジャイアンツ戦を岩隈氏が解説。大谷は捕手ラッシングが高めに構えたミットへ投げ込み、98・9マイル(約159キロ)直球で先頭ヤストレムスキーを空振り三振。初回を全球直球で打ち取った。岩隈氏は「大谷選手は今年、少しリリースポイントを下げている」と指摘。右肩の位置が20年は45度、22年は39度、25年は35度と年々腕の角度が下がっているイメージ画像を使いながら「低い位置から浮き上がる直球で空振りを狙いにいく。(カブス)今永投手と同じように狙って投げている感じですね」と話した。
2回は先頭チャプマンを初回に1球も投げなかったスイーパーで遊ゴロ。続くアダメズもスイーパーで三邪飛。直球攻めの初回からがらりと配球を変えた意図について、捕手ラッシングは大谷が相手打線の直球狙いを見抜き、2回から変化球を多用したと試合後の取材で説明。なおも2死一塁で迎えたシュミットへの初球もスイーパーから入り、最後は内角直球で遊飛に打ち取った。復帰後初の3回も無失点に抑えて、オールスター前最後の登板を好投で締めた。
イニングごとに大胆に配球割合をチェンジする大谷の変貌自在な投球について岩隈氏が総括。「状況によってプレートを踏む位置を変えている」と話した。走者なしではプレートの中央を踏み、走者ありでは一塁側を踏んでいた。重ねた画像が表示されると、走者の有無で踏む位置を変えており、違いが一目瞭然となった。
出演者の千鳥ノブから「投手目線で実際に立つ位置を変えることは難しいのでは?」と問われると、岩隈氏は「普段はなかなか変えることはしないですね。それぐらい難しいことでもあります」と大谷の対応力の高さに驚いていた。
スタジオではプレートの位置を変える効果を岩隈氏が実践解説。「プレート一塁側に寄る」走者ありでは、右打者外角に制球しやすく、シンカーが効果的で「右打者に内角を大きく使えるように」と説明した。
「プレート中央に寄る」走者なしでは、両サイドを広く使えると解説。「スイーパーを大きく曲げることができることで、メリットがある」と一塁側に寄った時よりも外角球が使いやすいと振り返った。