山本由伸7回無失点好投で「すごく充実していた」前半戦ターン 真価問われる後半戦へ課題も口に
<ジャイアンツ2-5ドジャース>◇13日(日本時間14日)◇オラクルパーク
【サンフランシスコ(米カリフォルニア州)13日(同14日)=四竈衛】昨季世界一のドジャースが、地区、リーグとも最高勝率で球宴までの前半戦を折り返した。
ジャイアンツ戦に先発した山本由伸投手(26)が7回3安打無失点と好投。9勝目こそ逃したものの、同3連戦の勝ち越しに貢献した。大谷翔平投手(31)は3打数1安打2得点と、メジャートップの91得点まで積み上げた。15日(同16日)に行われるオールスターに選出された両選手は、試合後、チャーター機でアトランタへ向かった。
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自らの白星が消えても、山本はすっきりした表情でカメラの前に立ち、正面を見据えた。前半戦最終戦で、7回まで三塁を踏ませない快投。「しっかり7イニングまで投げられて、チームも勝てたので本当に良かったと思います」。7日の前回登板は、自己最短の2/3回5失点(自責3)でKOされた。だが、勝っても負けても、結果を引きずらないのが、山本の特技。「調子がめちゃくちゃ悪かったわけでもない」と、完全に切り替えを終えていた。
リーグ5位の防御率2・57と安定感を維持しながらも、1試合平均1・68点と援護に恵まれないこともあり、8勝7敗と貯金はわずか「1」。その一方で、すでに登板数、投球回数とも昨季を上回り、先発ローテの柱として役割を果たしてきた満足感もある。「すごく充実していたので、アッという間でした」。昨年の同時期は、右肩の違和感で戦列離脱中。ロサンゼルスで孤独なリハビリを続けていただけに、今季の19試合では、数字だけでなく、確かな手応えも感じた。
ただ、優勝争いが本格化する後半戦が、より真価を問われることに変わりはない。ここまでの登板を「調子のいい試合と悪い試合の差が出た」と振り返ったうえで、あらためて課題を口にした。「いろんな分析をして、安定していい状態で投げられるように取り組みたいと思います」。公式戦だけでなく、10月のポストシーズンを見据え、「睡眠、食事、リラックスする時間も大事」と、体調管理の重要性を挙げた。
初の球宴での登板機会はなく、専ら応援団に撤する見込みだ。
「試合が1番ですけど、ホームランダービーも、違うチームの選手と過ごせるのも、小さな楽しみからメインの楽しみまでいろんなものがあります」。
マウンド上で雄たけびを挙げる山本が、お祭りを待つ少年のように目を輝かせていた。