【高校野球】今春に監督就任の元西武安藤信二氏率いる成立学園が7回コールド発進/東東京
<高校野球東東京大会:成立学園12-3王子総合>◇12日◇2回戦◇神宮
今春に監督就任した元西武の安藤信二氏(54)率いる成立学園(東東京)が先発全員安打となる20安打、12得点で7回コールド発進した。4回以降に猛攻を仕掛け、4回3点→5回3点→6回4点とリードを広げ逆転勝ち。監督就任後記念すべき「夏1勝」を手にし「最初は硬かったですけど、2アウトから点が取れて乗っていけた。ナイスゲーム」と振り返った。
社会人、大学と各カテゴリーの監督を務めた。経験豊富な指揮官にとって高校野球とは「負けたら終わりなんで、それは違う部分」と実感した。続けて「春は戦いましたが、夏は初めて。多少は緊張しましたが、選手が力を発揮してくれました」と回を追うごとに本来の調子を取り戻した選手たちをたたえた。
大分・佐伯豊南から88年ドラフト4位で西武へ入団。プロ入りと同時に投手から内野手へと転向し、引退後は社会人のクラブチームの指導や環太平洋大の監督も経験。昨年まで社会人野球のJPアセット証券の監督を務め、今春から同校の監督になった。
就任当初は心苦しかった。前監督らの暴言や不適切指導の影響で選手たちが指導者の顔色をうかがう様子が見られ「選手たちが野球を嫌いになってしまわないか」と不安になった。「野球人として絶対に野球を嫌いになって欲しくない。野球は楽しいもんなんだよ」と伝えたいと監督を引き受け、「ミスは誰にでもあること。打てないことやエラーした後は次に切り替えて」と積極性を促す指導を心がけた。全力疾走や大きな声で仲間を鼓舞するよう選手たちに求め部内の一体感を育むと、夏を迎えて一皮むけたチームへと変貌を遂げた。
春の東京大会3回戦では帝京に1-13の5回コールド負け。あの悔しさを忘れるわけにはいかない。くしくも同じブロック。前回の雪辱を果たし、12年以来の甲子園を目指す。