【高校野球】福岡大大濠は延長戦を制して初戦突破 エース志村隆之介が148球完投/福岡
<高校野球福岡大会:福岡大大濠6-5柳川>◇11日◇2回戦◇小郡
昨夏、今春とも福岡県大会準優勝のシード校、福岡大大濠が苦しみながら初戦を突破した。
古豪・柳川との対戦。福岡大大濠の左腕エース志村隆之介(3年)は6回まで1四球のみのノーヒット投球を展開した。しかし点差を4点に広げた7回裏、先頭打者にストレートの四球を与えて乱れた。初安打を許し、守備の乱れもあって2点を奪われた。
さらに9回裏。いきなり2連打でピンチを背負い、犠飛で1点差。2死一、三塁も相手打者を1-2と追い込みながらボークで同点とされた。「打者に集中していて外したつもりがボークをとられてしまった」と志村。しかし、その後に崩れないのが成長の証しだった。
同点で踏みとどまり、タイブレークの延長10回表に2点を勝ち越した。「最後まで自分がいく」とその裏も志村がマウンドへ。1点差に迫られなお1死一、三塁のピンチを三振、投ゴロでしのぎ、ガッツポーズとおたけびをあげた。
「状態はよかったんですが(7回は)先頭に四球を与えてあせりもあって点を取られてしまった。(9回裏のボークは)終わったプレーだからまだ同点。絶対に打たせないと気持ちを入れて投げました」と148球を投げきったエースは汗をぬぐった。
厳しい試合を覚悟していた八木啓伸監督(47)は「勝ち方より勝てた。チームにとって大きな1勝」と言い、志村の成長について「完投能力をつけたいとやってきた。こういう厳しい試合を経験できてよかった」と経験値を強調した。
昨夏は決勝で西日本短大付に敗れた。その悔しさをチーム全員で取り返す戦い。志村は「夏の大会は簡単にいかないとあらためて思い知った。本当に勝ててよかった」とようやく笑みを浮かべた。