広島対阪神 2回表阪神無死、佐藤輝は右越えに先制本塁打を放ち、ヘルナンデス(左)とタッチを交わす(撮影・藤尾明華)

<広島3-6阪神>◇10日◇マツダスタジアム

歴史的に強すぎる! 阪神が2リーグ制後では球団最長タイとなる11連勝を決めた。リーグ独占中の貯金を18に増やし、2位巨人に今季最大9・5ゲーム差をつけた。敵地広島で11試合ぶりに3失点したが、2点を追う7回に一挙5得点で逆転に成功した。4番佐藤輝明内野手(26)は2戦連発の23号先制ソロで早くも自己最多24本塁打に王手をかけ、7回にはダメ押しの左中間適時二塁打。侍ジャパンの井端弘和監督(50)も視察したマツダスタジアムで両リーグ最速の60打点に到達した。引き分けを挟まない広島戦8連勝は76年以来49年ぶり。最速で16日にマジック46が点灯する。

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佐藤輝が今季おなじみ、力感のない一振りでキャリアハイにリーチをかけた。2回先頭の第1打席。広島左腕森の初球、甘く入った124キロのスライダーを逃さなかった。大飛球は赤く染まったライトスタンドへ一直線。この日の初スイングで2戦連発の先制23号ソロを決め、自己最多24本塁打に7月上旬で早くもリーチをかけた。三塁側ビジター応援席を埋めた阪神ファンは早速、お祭り騒ぎだ。

「最高の形で先制できて良かったです。初球からいいスイングができたと思います」

チームは23年9月以来、2リーグ制後では最長タイの11連勝を飾った。4番は2点を追う7回2死二塁でもダメ押しの適時二塁打を放ち、この回一挙5得点の猛攻を締めくくっていた。広島3番手森浦の外角ストレートを泳ぎながら捉えると打球は左中間へ。ミートしただけのようにも映ったが、ワンバウンドでスタンドインするエンタイトルツーベースで度肝を抜いた。

2戦連続で先制打、4戦連続で第1打席での打点を記録。11連勝中は15安打、11打点、4本塁打の大暴れだ。チームは14年以来11年ぶりの6戦連続2桁安打を決め、49年ぶりの広島戦引き分けなしの8連勝を飾った。セ・リーグ全5球団に借金を背負わせ、前半戦の首位ターンも確定させた。

この日は侍ジャパン井端監督がマツダスタジアムを視察していた。23年アジアチャンピオンシップ、25年の侍ジャパンシリーズで佐藤輝を代表に招集した指揮官は「一昨年、アジアで呼んだ時と今回呼んだ時とでは全然雰囲気が違った。振る舞いとかも含めて、いい方向に行っているかなとは感じました」と納得顔だ。

今春の阪神沖縄キャンプ中、侍指揮官は佐藤輝の今季40~50本量産を予見していた。「その通りになって来ているのかな」と目を細め、「11月の韓国との強化試合とかでも、そのへん(国際大会)の対応力を含めて見たい」とイメージ。11月15、16日の「ラグザス侍ジャパンシリーズ2025日本VS韓国」(東京ドーム)での招集も示唆するほどの高評価だ。

とはいえ、背番号8は冷静だ。韓国戦について聞かれると「まずはシーズンをしっかり戦いきりたい」ときっぱり言い切った。独走Vへ。4番が「止まらない猛虎」を怪力で先導している。【伊東大介】

▼阪神が6月28日ヤクルト戦から11連勝。阪神の11連勝以上は23年9月以来9度目。藤川監督は1年目で、新人監督の11連勝は21年中嶋監督(オリックス)以来となり、セ・リーグでは82年安藤監督(阪神)以来43年ぶり。阪神では46年に14連勝の藤村監督、前記の安藤監督に次いで3人目。なお、6回に3失点し、連続試合2失点以下の記録は10試合で止まった。

▼7回の森下の勝ち越し打が決勝点。森下の勝利打点(V打)は両リーグ最多の15度目。前半戦までにV打を15度もマークしたのは、昨季の岡本和(巨人)以来5人目。セ・リーグで15度は83年原(巨人)と前記岡本和に並ぶ最多タイ。

▼広島戦は8連勝となった。阪神の広島戦8連勝以上は、同一シーズンでは81年に引き分け2つをはさみ12連勝して以来だが、引き分けなしの8連勝以上は76年の9連勝以来。

▼7月4日のDeNA戦から、6試合連続2桁安打。6試合連続2桁安打は14年以来。球団最長は08年の10試合連続。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】佐藤輝明、自己最多24号王手 11連勝中は15安打4発11打点、独走けん引今季最大9.5差