【高校野球】ジャイアンツタウンスタジアムで初開催 長谷川社長「アマ野球の聖地に」/東西東京
<高校野球東東京大会:筑波大付-深川>◇10日◇2回戦◇ジャイアンツタウンスタジアム
東京の高校野球に新たな“聖地”が産声を上げた。5日から熱戦を繰り広げる東西東京大会。巨人2軍の新球場「ジャイアンツタウンスタジアム」(東京都稲城市)で、東西大会併用の会場として初めて試合が開催された。
球場の特色でもあるグラウンドレベルに近い客席ではブラスバンドや応援団、保護者らが拍手や声援で選手を後押ししていた。
長野県から夫婦で筑波大付のエース川村章太郎投手(2年)の応援に駆けつけた祖母の小宮山和子さん(72)は「選手の顔も見やすい。長野にはない素晴らしい球場。こんなところでできる高校生は幸せだと思う」と孫の勇姿を見守った。
三塁側で応援していた深川の吹奏楽部の島崎音色さん(2年)も「貴重な体験なので、野球部や暑さに負けないぐらい頑張りたい」と力いっぱいトランペットを演奏していた。
グラウンドの広さは東京ドームと同じ中堅122メートル、両翼100メートルとなっている。プロ野球の2軍戦も行われる環境では、球児たちもいつも以上にプレーに力が入っていた。
3月に開業し、これまで2軍の試合だけでなく、大学や女子の公式戦やイベントなども行われてきた。
同スタジアムの運営会社「東京ジャイアンツタウン・マネジメントカンパニー」によると、昨今のアマチュア野球界では会場の確保が難航するケースが多く見つかった。
長谷川聖治社長は「その一助になること、さらに学生がプロの使う球場でプレーして、野球の醍醐味(だいごみ)、面白さを周囲に伝えてもらいたい」と意図を説明した。
今大会は10日から17日まで使用され、東西計16試合が行われる。
秋以降の使用は未定だが、東京都高校野球連盟の小山貢会長も「プロも使っている球場でできるのは高校生の向上心もかき立てられる」と歓迎する。
東西東京大会ではヤクルト本拠地の神宮球場がメイン球場の役割を担ってきた。
長谷川社長は「アマチュア野球の聖地のような存在にもなればうれしい」とも。東京高校野球の「第2のメッカ」へと育てていく。【泉光太郎】